話題銘柄をテクニカルで斬る アベノミクス「第3の矢」、6月の成長戦略の先取りとなれるのか「地熱発電」の行方

テクニカル


経済産業省所管の独立行政法人、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は3月27日、福島市の土湯温泉で地元企業が計画中の発電所(出力400kW)と大分県九重町で九州電力の子会社が計画している発電所(同5000kW)の地熱発電事業所向けの融資を対象に、初の債務保証を実施すると発表した。日本はエネルギー政策の見直しに着手、12年4月に国立・国定の自然公園内での新規開発を条件付で認める規制緩和を閣議決定。12年7月に再生可能エネルギーの全量固定価格買取り制度(地熱価格は1kW当たり42円)もスタートした。

火山列島の日本は、大地震におびえるが、豊富な地下資源の地熱を利用すれば、無尽蔵の電力を入手できる。物理的に原発依存度を引き下げることが可能になる。日本は地熱の資源量では2347万kWで世界3位(1位は米国3000万kW、2位インドネシア2779kW)と潤沢だ。社会インフラ整備で、建設国債を発行、借金して高速道路を建設する時代は終わり、成長戦略、公共事業の一環として、第3セクター方式などで地熱発電所を全国に建設する時代が近づいたのではないか。

地熱発電は、太陽光や風力発電のように曇りや雨、風など天候の影響をまったく受けずに24時間、365日休み無く発電する。また、日本は蒸気や熱水に含まれる塩化物や硫黄分への対策で強みを持っている。地熱発電所は、太陽光発電所や風力発電所と異なり、井戸の掘削などで初期費用が多額になり、金融機関から融資が不可欠とみられるが、JOGMECの債務保証があれば、融資が受けやすくなり、新規参入が増えるだろう。

一方、政府はアフリカ支援でケニア、タンザニアに地熱発電所の開発を進め、地熱発電所の輸出拡大を目指している。この6月中に発表される安倍内閣のアベノミクス「第3の矢」の成長戦略に当然、福島原発に端を発したエネルギー基本計画の見直しで再生可能エネルギーの強化、拡充が盛り込まれ、地熱発電の活用が取り上げられるよう。また、社会インフラ輸出自体が外貨獲得、成長戦略の土台であろう。

地熱発電の地熱蒸気タービンの世界シェアは東芝(6502)三菱重工業(7011)富士電機(6504)の3社で約7割を占めてきたが、近年、高性能「バイナリー発電」技術で世界をリードするイスラエルのオーマット社の躍進などで、イスラエルの世界シェアが24%と拡大、日本は50%を割り込んだ。この情勢下、神戸製鋼所(5406)IHI(7013)川崎重工業(7012)アルバック(6728)の100%子会社アルバック理工などが、小型のバイナリー発電機を相次ぎ開発し、地熱発電事業に参入している。関連銘柄は限られるが、ここでは神戸製鋼所、富士電機、アルバック、IHIで分析する。株価データは過去1年間の週足ローソク足と13週、26週の株価移動平均線を用いる。結論は、マチマチで、現状、6月の成長戦略での「地熱発電」への期待度は大きくないようだ。

神戸製鋼所(5406) 相場転換のシグナル点灯、144円狙い

5406週足は、2014年1月の高値187円から3月に120円台へと下落した。この間、週足は5陰連を形成し、13週線と26週線もデッドクロスを示現、ベクトルも下向きに転じ、下げ相場入りを示唆していた。13年6月の安値115円を起点とした上昇相場はトリプルトップとなり、190円の上値抵抗の強さに跳ね返された。足元、120円のネックラインに里帰りの様相に。ただ、先週の週足は下値圏で「陽線のコマ」を示現、相場反転のシグナルを発信した。130円割れの押し目狙い。目標値は3月10日の144円。

富士電機(6504) 上昇相場に減速感で打診買い

6504週足は、この1年チャートで見れば、現在、2段上げからの調整局面にある。上昇1段目は2013年4月の安値251円から5月の高値401円までで、6月にこの上げ幅150円の3分の2押し水準の安値300円を付けた。ここを起点に2段目の上昇相場に入り、14年1月に高値519円を付け、2月にこの間の上昇幅219円の2分の1押し水準の安値406円を付けた。ここを起点の反騰相場は1段目の勢いがなく、下げ幅113円(519-406=113)の3分の2戻しにとどまり、再び反落。先週、大陽線で反発も上値は26週線(453円)で押さえられた。13週線と26週線のデットクロスも近づいた。420円接近で打診買い。三角もちあいの様相もあり目標値は470円。

アルバック(6728) スピード調整も上昇相場に変化なし

6728週足チャートを見ると、2013年10月以降、下から26週線、13週線、週足と並び短期線が上となる「順のパターン」、長期上昇相場を形成。すなわち先高感の強さを持続している。途中、12月に週足が13年5月の高値1335円のネックライン水準に到達するとローソクの実体が短くなり、日柄調整に入るも14年から再度、上昇相場に戻り3月に高値2253円を示現した。その後、週足は連続陰線でスピード調整するも先週、大陽線で反発。時価買い。目標値は2253円に3月高値からの下げ幅380円(2253-3月20日の安値1873=380円)を加算した2633円。

IHI(7013) 反騰も値幅妙味小さいと割り切り

7013週足は、長期上昇相場で2013年4月の安値261円を起点に調整を入れながら値上がりし、14年1月に昨年来高値516円を付けた後、再度の調整入りも下値は420円のネックラインで下支えられている。先週、週足は下値圏で「陽線のコマ」を示現、反騰のサインを出した。13週線、26週線のベクトルはやや下向きに転じているが、420円前後で買い。450円台にチャートの節目は多いが、目標値は13週線(464円)水準に近い心理的抵抗線の460円と値幅妙味は薄い。

戻る