業界座談会 食品スーパー編 消費増税の影響は7月から?

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今夏のボーナスも株価次第

イオン(8267) 日足

イオン(8267) 日足

19日、イオン(8267)が食品スーパーの再編を正式発表した。マルエツ(8178)カスミ(8196)、マックスバリュ関東(イオン100%子会社)の3社が経営統合して誕生する国内最大の食品スーパーを子会社にする予定。

市場関係者A 「消費増税後、業界再編が起こると言われていたが、ついにイオンが“首都圏スーパーマーケット連合”の創設に動いてくる。消費増税もあり、地方での生き残りを狙った業界再編に加え、都市部の市場成長を狙った業界再編も加速しそうだ」

業界関係者B 「卸や物流を効率化でき、価格競争力を保つのに必要な店舗数と売上高の最低ラインは、『特定エリアに100店、1店舗当たり売上高3億円=年商300億円』とされ、欲を言えば年商500億円は欲しいところ。日本には50店舗以下、年商200億円以下のスーパーがゴロゴロ。それよりも規模が大きくとも、店舗が老朽化し、くたびれている食品スーパーも少なくない。こうした経営者は悩みどころだろう」

業界関係者C 「ただ、イオン傘下に入ると、経営陣を送り込まれ飲み込まれてしまうとして嫌がる食品スーパー経営者は多い。“地域連合”では北海道から南下を進めるアークス(9948)が知られるが、横山社長は80歳前後。ライフコーポレーション(8194)の清水会長も含め、求心力のある経営者の高齢化が目立つ。比較的若い経営者としてアクシアル リテイリング(8255)の原社長が頭角を現してきているが、同社はM&A(企業合併・買収)に積極姿勢だが、企業文化や経営哲学を重視しており、どことでも組むというわけではない」

市場関係者A 「『対イオン連合』を形成する可能性があるとすれば、山陽地方地盤のイズミ(8273)も有力候補。あと、イオンの動きは食品卸業界にも影響を与えるだろうね。中で食品卸4位の加藤産業(9869)にとってはフォロー。同社はイオンと取引がある一方、マルエツやカスミと直接取引はないから、今回の再編でイオンを通じた取引拡大が期待できそう」

業界関係者B 「ところで、消費増税が消費に与える影響だけど、どうみている? 『消費増税の影響は小さく、6月から消費は回復する』という報道がはんらんしているが、小売りの経営者にそうした報道をまゆつばものといった体で眺めている人が多い」

市場関係者A 「やはり。消費者が増税の影響に気が付いたのは、前回(1997年)は増税2カ月後の『6月』からだった。今回は気が付くのがもう少し遅れて増税3カ月後の『7月』ぐらいから影響が出てくる可能性を考えておいた方がいいのではと思っている」

業界関係者B 「その理由は?」

市場関係者A 「家計簿を付けていると、4月1日から支出が増えたことが分かる。家計簿をきちんと付けている世帯は10%以下と推測され、裏を返すと、ほとんどの世帯がどんぶり勘定。何かのタイミングで銀行口座をのぞいた時、思っていたよりもお金が減っている――となって、増税の影響を実感することになるのではないか。家計簿を付ける世帯比率は昔に比べ低下、電子マネーの利用増加も踏まえると、増税の影響を実感する時期は前回よりも少し遅れてやってくるのではないか」

業界関係者C 「今回の増税後、『デパートで高級弁当が売れている』といった出来事を取り上げ、増税の影響は軽微とマスコミは報じていたが、高いから売れたのではなく、お値打ち感があるから多少高くとも売れたのであって、企業努力のたまもの。その高級弁当もお値打ち感を演出するため利益率を落とした可能性があり、ものの一面しかとらえていない。『増税の影響は軽微』というシナリオにはまる出来事を必死で探して報道している印象は否めない。大手マスコミは合併していないから、1997年のことを体験している人はたくさん残っているだろうに、短絡的な報道が目立つ」

業界関係者B 「新入社員に書かせているのだろうよ」

市場関係者A 「賃上げも大企業のごく一部にとどまっている。望みの綱、今夏のボーナスも株価による。日経平均が1万5,000円、為替も決算レートの1ドル=105円にいけば、ボーナスにまあまあ期待が持てようが…」(

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