【深層】を読む 昨年と異なる“勝つための条件” 得意分野生かした投資を

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外国人に期待と猜疑心

年明けからの日本株市場は、昨年末の期待感とは裏腹に軟調で、なおかつ変動率の高い展開が続いている。さらに、この数日間は新興国通貨不安との材料が飛び出して、海外要因に大きく左右される展開が続いていることも、慎重ムードを高めているようだ。ただ、昨年12月後半にやや無理やりっぽく日経平均が持ち上げられた印象があったことを考慮すると、現在の相場水準は昨年11-12月の水準と同等で、その意味では、直近の相場の変動率の高さにも、必要以上に慌てることはないと感じている。

最近、海外の複数のヘッジファンド運用者と話をする機会があったが、昨年の日本株パフォーマンスの良さを褒める一方で、今年もその繰り返しが起こると考えている向きは少数派との印象だ。これは至極当然のことで、あのパフォーマンスが繰り返されるのなら、誰も苦労はしない。ある意味、アベノミクス相場の第一弾は単純な相場展開だった。特に昨年5月までは、基本的に勢いに乗って連想ゲームで物色を繰り返していたならば、それなりの利益が出た相場だったろう。ひねくれて物事を考えず、上げ相場の勢いを重視して、外国人投資家の買いにペースを合わせて自分も買っておけば良かった。しかし、同じような相場が繰り返されると考えるのは、あまりにもナイーブ過ぎる。これは外国人投資家だけでなく、個人投資家や国内の機関投資家も同様に考えているだろう。その点では、年明けからの相場は、多くの市場関係者の期待を裏切るのではなく、何となく想像していた通りの相場展開と言えるかもしれない。

日本株市場の動向は、引き続き外国人投資家動向に左右される展開が今年も予想される。昨年、あれだけ大量に買い越した外国人が、一転して売り越しになるとは考えないが、昨年ほどの規模で買い越すとも正直、考え難い。彼らの多く、特にヘッジファンドは、世界的な規模でもうかる市場を探している。日本株は、その選択肢のホンの1つにすぎないので、ほかに有力な候補が見つかれば、そちらに注力することになるだろう。現状では、日本株に昨年ほどのパフォーマンスを見通せない一方、ほかに「これだ!」という有力な市場を探せていないのも本音だ。彼らの日本株に対する期待と懐疑心の1つは、アベノミクスが第2幕にスムーズに移行できるかどうかだろう。安倍首相の政策は、初年度は徹底して経済を中心に遂行した印象があった。それは外国人投資家にとっても、受け入れやすいし理解しやすい展開だった。問題は、ここからだ。安倍首相も2年目を迎えて、「本当にやりたいこと」が引き続き経済に関することなのか、それとも憲法改正など、外国人投資家にとって理解し辛い方向に行くのかは、かなり大きな注目点になると考えている。

インフルエンザやノロウイルス感染が局地的に広がるように、これからも所々で突然の相場調整は有り得るだろう。インフルエンザ感染(海外発の要因による相場変動)に見舞われても、普通の成人(健康な経済・企業)は、数日-1週間程度の苦しみ(調整局面)で回復できる。ただし、慢性疾患(財政赤字、貿易赤字など)を抱えていたりすると、時として命にかかわる事態を迎えるリスクもある。それらをすべて念頭に置いた上で、今年は相場を考える必要があるだろう。昨年前半の相場のように、単に勢いに乗る相場ではなく、今年は勝つためには、業績や相場の地合いなどを総合して、考える必要が出てきているのは間違いない。自分の得意分野を生かした投資に徹することは、勝率を上げる1つの方法だと考えている。

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