公募・売り出し戦略 その5 募集重複時の優先順位は? 「貸借銘柄」であることが第一

JACK流「勝利の方程式」


日本ビルF(8951) 週足

日本ビルF(8951) 週足

参加妙味高いREITの公募

今回は最近の公募ラッシュという背景から、募集時期が重複した場合の銘柄の優先順位についての、私なりの考え方を記載したいと思います。

まず、前提として、以前にも記載しましたが、貸借銘柄であることが一番の優先順位になります。とにかくカラ売りやらツナギ売りができるということが、どれだけ取り組みやすいかということは、過去の記事を読んでいただければ一目瞭然(りょうぜん)です。

次のポイントとして挙げたいのは、REIT(不動産投信)の公募になります。このREITに関しましても、カラ売りやツナギ売りができる銘柄がベストですが、実際には非貸借銘柄においても私は参加しております。

理由としましては、著しい公募割れがないことと、比較的ディスカウント率が低めなこと、募集株数も多く獲得しやすいことがあり、私は優先順位を上げています。

受渡日 価格決定日 コード 銘柄 発行価格 割引率
1月24日 1月16日 8951 日本ビルF 891,800円 2.0%
1月31日 1月23日 8987 Jエクセレント 451,425円 2.5%
2月4日 1月21日 3269 アドバンスR 165,945円 2.5%
2月5日 1月28日 3249 産業F 692,250円 2.5%
3月4日 2月19日 3226 アコモF 644,816円 2.5%
2月20日 8968 福岡リート 710,580円 2.5%
3月5日 2月25日 3234 森ヒルズR 491,400円 2.5%
3月6日 2月26日 8964 フロンティア 870,675円 2.5%
3月13日 3月5日 8960 ユナイテッド 123,382円 2.0%
3月19日 3月11日 8984 ハウスレジ 386,100円 2.5%
3月27日 3月18日 8954 オリックスF 122,655円 2.5%
4月18日 4月10日 8985 ホテルリート 41,778円 2.5%
4月23日 4月15日 8973 積ハウスSI 484,575円 2.5%
5月2日 4月22日 8979 スターツプロ 185,035円 2.5%
5月28日 5月20日 8975 いちごリート 62,595円 2.5%
6月11日 6月5日 3283 プロロジスR 763,420円 2.0%
6月19日 6月11日 8977 阪急リート 469,462円 2.5%
7月3日 6月25日 8959 野村オフィス 398,287円 2.5%
7月10日 7月25日 8960 ユナイテッド 126,616円 2.0%
8月7日 7月30日 3278 KDR 217,327円 2.5%
8月13日 8月5日 8957 東急RE 493,350円 2.5%
9月5日 8月28日 3234 森ヒルズR 526,500円 2.5%

実際に、今年に入ってからの推移は表の通りです。8月末現在でREITの公募は、全部で22銘柄ありました。単純に獲得した公募株をカラ売りやツナギ売りせずに、受渡日の始値で売却したとしても、利益を計上できる銘柄が18銘柄あり、公募割れはわずかに4銘柄でした。

しかも、その公募割れの2銘柄については、1週間以内には公募価格を上回る結果となっています。

このあたりの要因としましては、そもそもアベノミクス相場ということもあるかもしれませんが、個人投資家以外にも、国債の利回り低下による運用難から機関投資家の積極的参加もあるとうかがっています。また、REITの基本となる、物件取得する際の借入れ金利の低下による配当金の安定さもあります。個人投資家を含め数年前とは異なり、REITについてはかなり人気が出ていると推測しております。

そのような背景もあって、私の周辺でも、その安定した配当金目当てや今後のオリンピック相場期待から、中長期目的で公募参加をする方も増えています。もともと受け渡し日の売り圧力が弱く、逆に公募で獲得できなかった方が、指数の組み入れや、そもそもの保有物件(新規購入予定物件含む)による価値の上昇狙いで買う例も多く、数年前では信じられないほどの上昇をもたらすREIT銘柄もあります。私自身も、この値動きは公募増資ではなく、まるで新規公開株ではないかと思ってしまうこともありました。

もちろん、今後もこのような展開が担保されるわけではありませんが、比較的募集株数が多く、著しい公募割れも少ないREITの公募には、参加妙味が高いと考えております。

なお、このようなREIT銘柄につきましては、基本的には大手の証券会社で仕切っており、繰り返し公募増資をした銘柄の場合、過去と同じ主幹事証券で実施されますので、そのあたりの統計も把握して、獲得にあたっての参考にしていただければと思います。

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