公募・売り出し戦略 その3 カラ売り規制後の手法を探る 改正法には裏読み余地も?!

JACK流「勝利の方程式」 連載


株価下落リスクと向き合う

2011年12月1日に金融庁から「公募増資に関連する空売り規制の施行などについて」というプレスリリースが発行されております。

記載されている通りですが、内容を要約すると、今回の改正により、何人も、増資公表後、新株などの発行価格決定までの間に空売りを行った場合には、当該増資に応じて取得した新株などにより空売りに係る借り入れポジションの解消を行ってはならず、これに違反した場合には処罰されることとなった、ということです。

つまり、この改正によって、前回に記載した、価格決定予想日の引け成りでの空売りはできなくなり、あくまでも可能であるのは、価格決定後ということになります。当然のことながら、翌日は多少の価格の安定操作期間はありますが、株価の下落リスクと向き合うことになります。極端な話、地合いによっては、翌日の寄り付きから、株価が公募価格張り付きやら微々たる上値であれば、そこでカラ売りをしたとしても、手数料負け、あるいは逆日歩等考えれば損失トレードになる可能性が高まります。

さらには、見解の相違といってしまえばそれまでですが、疑わしきは罰せずということもなく、価格決定後のカラ売りも、一部の証券会社では配分時に禁止をするマイルールを導入しているところもあります。

ですからこのような流れになると、価格決定日の翌日以降にどこかでカラ売りを仕掛けるか、そもそも公募の配分を獲得するのを諦めて、リスクを取って純粋に希薄化狙いのカラ売りや逆日歩狙いの信用買いをするしかないという感があります。

とはいっても、前述したように、価格決定日の株価が直近で高値であることも多く、やはりリスクを取りたくないということであれば、多少なりとも、その決定日でカラ売りをしたいところであります。

そのあたりの対策としては、既に実施している人もいるかもしれませんが、単純に自分名義以外の口座を活用すれば、法に触れない解釈というか手法になります。

例えば、配偶者や親の口座でカラ売りをすることになります。

このあたりの対策がヒントになったのは、私自身がたまたま、昨年の地合いの悪いときに公募のカラ売りのタイミングで薄利になったときに、自分の親とその公募株に関して、話していたら、純粋にカラ売りしただけでかなりの利益になったということを聞かされたのがきっかけになりました。

公募価格決定日を高値に下げ続けるパターン
【電通(4324)】
日付 始値 終値 備考
7月22日 3,360円 3,290円 公募価格決定日(3,191円)
7月23日 3,280円 3,210円
7月24日 3,210円 3,195円
7月25日 3,195円 3,170円
7月26日 3,160円 3,125円
7月29日 3,070円 3,030円
7月30日 3,100円 3,125円 受渡日(売却可能日)

ですから、もしもの話になりますが、そのような口座が活用できれば、公募株をそのまま持ち続けて自分の口座が損失となったとしても、価格決定日の引けで純粋に親や配偶者自身、あるいは法人口座でカラ売りをすれば、家族などのトータルの成績で考えれば、確実に公募の鞘の部分のリターンが発生いたします。

といっても、そのあたりは、本格的に株数をそろえたり、事前に相談して実践すると、利益の折半やら税金の問題、場合によってはモラル的にも道義がつくかもしれません。

この手法については、法律的には問題がありませんし、証券会社もチェックしようがありません。何せ公募増資にかかる希薄化による株価下落を狙うカラ売りは誰もがやることでありますからやはり問題がないといえるのではないでしょうか。

このあたりは今後、例えば、同一世帯口座、同一名義の法人口座についても禁止するなどの法律の改正があったとしても、親せきやら友人と共同して対応されてしまえば防ぎようがありませんから、そもそもの法改正の趣旨やら意図、あるいは内容については疑問が生じるところであります。

次回はさらにこの法改正を踏まえた別の手法について掲載していきたいと思います。

JACK(ジャック)とは…
個人投資家。バーテンダー、予備校講師、公務員、サラリーマンと多彩な職歴を歩む傍ら、IPO(新規公開株)で一気に長年の含み損を一掃し、1億円超の資産を築く。現在は、株式投資の大勝負やバブルのタイミングを待ちつつも、不動産投資やFXに開眼。寝る時間を惜しんで必殺技を模索中。株式・不動産を含むあらゆる投資領域において、今後どのような投資法を発掘するかが非常に注目されている投資家である。2012年3月30日、4冊目の投資書籍「サラリーマンの月収をらくらく20万増やす方法」(ごま書房新社・税込1,575円)発刊。
JACKのHP株式のブログ不動産とFXのブログを運営。
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