取材の現場から 昭和ホールディングスのその後 売り上げを伸ばし利益出て、株価も回復基調だが…

取材の現場から 連載


昭和HD(5103) 週足

昭和HD(5103) 週足

上場企業の経営をめぐるゴタゴタは近年、目立たなくなったが、なくなったわけではない。例えば、昭和ホールディングス(5103・2部、旧昭和ゴム)。かつて、経営陣がころころ代わり、大物仕手筋などの関与が取りざたされ、さまざまな情報が飛び交った。同社は今、どうなっているのだろうか。

現在のオーナーはAPFという投資ファンド。オリンピック代表選手やJリーガーなど多数のスポーツ選手、さらに久間章生元防衛相などがかかわっていることで話題にもなった。

2010年6月に昭和HDは、架空増資の疑いでSESC(証券取引等監視委員会)の強制捜査を受けた。「事件化するのではないか」と緊張感が走ったが、追加捜査などの目立った動きもその後なく、今年6月27日に〝時効〟を迎えた。仮に不法行為があったとしても、課徴金処分を課されることはなくなった。

また同社は、外車取引と光ファイバー事業に関する係争も抱えていた。昭和HD自身が同社の取締役を訴えたもので、外車取引には複数のブローカーに加え、VTホールディングス(7593・JQ)アップルインターナショナル(2788・東マ)といった上場会社も巻き込むややこしい案件だった。しかし、この裁判も5月に和解。「公表はしていないが、1,500万円を被告が昭和HDに支払うことでケリがついた」(昭和HD関係者)という。

ここへきて昭和HDが抱えていた問題が決着している。業績も、APFが経営に着手して以降、売り上げを伸ばし、利益も出している。低迷していた株価も以前の水準に戻っている。

そんなこともあってか同社は、SESCの強制捜査に関する国家賠償訴訟を提起。不当な捜査が行われたと、国と争うこととなった。

その一方、7月には株主代表訴訟を起こされている。39人の株主が、子会社・明日香野食品の買収額が不適切だと訴えた。

「原告は同社の労組関係者。買収額が不当に高く、その資金がAPFに流れているともみている。そのお金の流れを裁判で明らかにするのが訴訟の狙いだ」(前出・関係者)という。

また同社は、「スラップ訴訟」問題も抱えている。APFを批判した論文に対し、同社取締役が名誉棄損で訴えたもの。スラップ訴訟は恫喝(どうかつ)訴訟とも称され、批判した相手を威圧するために起こす訴訟のこと。論文を書いた教授側は不当な訴訟だと訴え、反訴もしている。

相変わらず、株主にとっては目が離せない展開が続いている。

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