日中取引でも「PTS」 投資戦略の幅広げるツールに

夕凪所長のイベント投資100% 連載


小数点以下での売買可能

市場外取引となるPTS(私設取引システム)。夕方から始まるナイトタイム・セッションを利用したことがある方が多いのではなかろうか。大引け後の業績発表などを受けていち早く売買したい場合には非常に便利である。PTSはナイトタイム・セッションばかりではなく、日中のデイタイム・セッションでも取引できる。しかしながら普段は東証取引の方が出来高が多いし、PTSは現物しか取引できないため、デイタイム・セッションに魅力を感じていないかもしれない。それでもPTSを利用した方がメリットが出る場合がある。それは小数点以下の呼値での売買である。

小数点以下の呼値で売買する場合のメリットはいくつかあるけれど、最も大きいのが株価が50円以下の低位株を売買する場合であろう。「いやいや、そもそも低位株なんて危な過ぎて売買対象として考えたこともない」という方もいらっしゃるかもしれない。しかしながらそれは食わず嫌いというものではなかろうか。低位株は株価が1円動くだけで数%-10%以上の利益がでるのである。勢いがついたときには、1日で50%近くの利益が出ることすらある。仕込んでいた銘柄が暴騰したときは「このときを待っていたのだ」と感動すら覚えることがある。上場廃止のリスクが常にあるけれど、それを考慮に入れても十分に狙う価値があると信じている。

東証と大証の現物市場の統合により、大証1部から東証1部へ移動となったエス・サイエンス(5721)キムラタン(8107)。どちらも株価は10円以下であり、超がつく程の低位株である。両銘柄共に、今年8月末と10月末の2度に分けてTOPIXに組み入れられることになっている。このときのインデックスファンドの買いを狙うコバンザメ投資に妙味があるかもしれない。

エス・サイエンスの板状況

エス・サイエンスの板状況

こういった低位株を売買する場合、最も問題となるのが購入時である。指値で待っていても約定しにくいのである。掲載した図は、ある日のエス・サイエンスの板状況である。この場面で10万株買いたい場合、7円なら売り板があるのですぐ買える。しかし6円で買おうとして指値で待っていても、まず買えない。1,000株買えたらラッキーな方である。これでは株数として全然足りていない。それならということで前場や後場の寄り付き時の板寄せを利用して買う戦略もある。ただ6円で値が付くのか、7円で値が付くのか、そのときの状況により全く分からない。すべての注文状況を把握できるフル板を監視することで、どちらの値段で寄り付きそうか計算できるけれども、最後の数秒でその状況が変わる可能性がある。

こんなときに使えるのが、小数点以下の呼値で売買できるPTSである。エス・サイエンスの場合なら6.5円近辺で売り板・買い板が出ている。7円で買うよりはるかにましである。出来高が結構あるので相当数の株数を購入できる。もし思った通りに株価が動かず、手じまいで売りたい場合にもPTSを利用することができる。

今回ご紹介した超低位株に限らず、ある値段で指値で待っているんだけれど、なかなか買えないなぁ、と感じたときにPTSを利用してみよう。小数点以下で少しだけ売り手に有利な株価を提示すれば、あっさり買えてしまう場合もある。PTSは投資戦略の幅を広げてくれる便利な道具として使いたい。

戻る