続・「バークシャー・ハザウェイ年次株主総会」出席レポート バフェット氏の回答は…

今注目の米国株! 連載


前回に引き続き、5月4日に行われたバークシャー・ハザウェイの年次株主総会に出席した模様をお伝えする。今回は、ウォーレン・バフェット氏に投げ掛けられた主な質問と、それに対する同氏の答えに注目したいと思う。

同氏が80歳を超える高齢となる中、よく質問されるのは同氏の後継者問題である。空売りを仕掛けているキャス氏からもやはりこの質問が聞かれたものの、バフェット氏は“後継者は決定したが、それが誰かは公にしない”と答えるなど、これまでの発言が繰り返された。

しかし、強調されたのは同社カルチャーの重要性であった。同氏は息子の一人であるハワード氏を執行権のない会長に任命している。バフェット氏は企業買収の際に、通常それまでの経営陣をすべて残し、自分は経営に一切口出しをしないという姿勢を取ってきたが、ハワード氏を“監視役”とし、傘下にある企業の経営陣が妙なことを行わない限りは、バークシャー社の将来業績に変化はないということが強調されていた。

別の質問としては、同社が近年買収している企業の割安感は過去に比べて低下しており、将来の投資収益は低下するのではないかということである。これについてバフェット氏は、これまでと同じく同社の規模が大きくなるに連れて、過去数十年間と同じような投資収益を上げることは難しいとの認識を示し、それは驚くことではなかった。

しかし、ここで同氏が強調したのは、買収した企業の競争的優位性の重要さである。買収価格が少し高くても、競争的に優位性がある企業の将来業績は堅調さを持続し、満足な投資収益が十分に得られるということである。

これに関連して、質問の1つに航空産業についての質問があった。米国における同産業は近年買収・合併を繰り返してきており、寡占状態になった同産業に属する企業は投資対象となり得るのかというものであった。これに対し同氏の答えは“ノー”。エアライン事業は寡占化しつつあるものの、大規模な固定費用を背景に、座席販売に対して価格引下げを大幅に行う必要があるとの見方が示された。また、飛行機買取といった費用はかかるものの、航空産業への新規参入は比較的簡単にできてしまうため、新たな競争を生み出すリスクが存在するということである。

また会場では、現在の金融緩和終了後の株式市場へのインパクトや政局についての質問が当然聞かれたものの、バフェット氏の基本的な答えは“分からない”である。

今回の株主総会における同氏のコメントから感じたことは、株式投資とは市場で次に何が起こるかを当てあう“推測ゲーム”ではなく、産業・企業の競争的な位置を分析することから始まるということである。

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