取材の現場から 深刻な北海道の電力不足 停電リスク抱える企業が多数

取材の現場から 連載


北海道電力(9509) 日足

北海道電力(9509) 日足

北海道では11月27日、暴風雪で鉄塔が倒壊し、登別市や室蘭市など17市町の5万6000世帯が停電する事故が起きた。30日にはどうにか復旧したが、「停電はこれで済まない可能性が高い…」という――。

北海道電力(9509)は12月10日から7%以上の節電を要請しているが、同社の需要見通しでは、最も需要の多い2月でも電力は足りる。需要563万kWに対し供給力は593万kWあり、33万kWの余力がある。予備率は5・8%で、政府が示した3%を大きく上回っている。にもかかわらずの、節電要請なのだ。

「予備率だけ見れば余裕があるように見えるが、余力33万kWは、発電機1基に満たない。1基止まれば、停電する可能性がある」(北海道電力)

北海道電力の火力発電所で33万kWを超える設備を探すと、伊達1号機35万kW・2号機35万kW、苫東厚真1号機35万kW・2号機60万kW・4号機70万kW、知内1号機35万kW・2号機35万kW。このうち1つでもトラブルで停止すれば、停電となる。

もちろんトラブルがなければ何の心配もいらないが、北海道電力ではここ数年、トラブルが多発。複数の発電設備が同時に止まることさえあり、2007年以降、毎年100万kWレベルのトラブルが発生。33万kW程度なら、いつなくなっても不思議ではない。

先に挙げた33万kWを超える発電設備は、今回停電した室蘭から苫小牧という工業団地地帯に電気を供給している。

室蘭にはJXホールディングス(5020)、新日鐡住金(5401)、日本製鋼所(5631)、三菱製鋼(5632)といった大きなところ以外にも、日亜鋼業(5658)、黒崎播磨(5352)、チヨダウーテ(5387)、五洋建設(1893)が工場など拠点を置いている。苫小牧には、王子ホールディングス(3861)、日本製紙グループ本社(3893)のほか、いすゞ(7202)、トヨタ(7203)、アイシン精機(7259)など自動車、石油資源開発(1662)、出光興産(5019)などエネルギー、そして、巴コーポレーション(1921)中部飼料(2053)、セントラル硝子(4044)がある。これら企業は、大きな停電リスクを抱えている。

まあ、自家発電設備の需要が高まると考えれば、三菱電機(6503)や日立(6501)、デンヨー(6517)といった企業には商機ではあるが――。

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