ルーカディア(LUK) アナリストカバーがゼロのミニ・バークシャー

今注目の米国株! 連載


15日の米株式市場では、中国の実質Q1・GDP(国内総生産)が予想を下回ったことを受け、コモディティ市況が大きく下落した。先日発表された3月雇用統計は予想を下回ったものの、連銀による金融緩和継続への期待が高まり、市場の下支えになっていた。

翌16日には若干の買い戻しが見られたものの、15日の市場ではネガティブ材料に対する売り圧力の強さが示されたと見る。これまで“買わされてきた”投資家からは、何かネガティブな材料があると売りを強める動きが今後もあると予想する。

さて、今回ご紹介したい銘柄はルーカディア(LUK)である。この会社は本社をNYに置き、時価総額は100億ドルを上回る規模にもかかわらず、市場で話題となることが少ない。その理由は、大手証券アナリストが同銘柄を一切カバーしていないためである。有名投資家のウォレン・バフェット氏が経営するバークシャー・ハサウェイ社は、元々繊維会社であったものの、現在ではさまざまな企業に投資を行っており、実質は投資会社のような扱いを受けるが、このLUKはミニ・バークシャーと呼ばれている。

同社経営陣は、短期的な株価変動の要因となり得る四半期ごとの決算説明会などを行わず、長期的なリターン創出にのみ注力している。同社は牛肉精製業者、材木業者、マイニング企業などを中心に投資を行っており、操業開始の1979年から2011年までの年間リターンはなんど19.8%である。

米国ではプロの投資家でも年間15%のリターンを出せばトップ・クラスといわれる中で、この実績には驚かされる。実際、上記のウォレン・バフェット氏も同社のファンであり、商業不動産事業では同社との間でジョイント・ベンチャーを運営している。

同社はコモディティへの投資を積極的に行っていることから、08年の金融危機の際に株価は約5分の1となる10ドル付近にまで下落した。現在の株価は30ドル付近にまで戻しているものの、まだまだ上昇余地は残されているとみる。上記のように、同社業績は投資案件に左右されることが多く、市場環境が悪化した場合はアカウンティング上、“営業損失”を計上することになる。現在は過去に計上した損失があるため、財務諸表には繰り延べ税金資産が存在しており、向こう数年間は税金を支払う必要がない。

同社は直近、大手証券会社のジェフリーズ・グループも買収し、この繰り延べ税金資産を武器に、今後はこれまで以上のペースで帳簿価値上昇を見込んでいる。冒頭で述べたようなコモディティ市況下落のリスクはあるものの、その相関で同社株が売られるような局面では積極的な買いを推奨したい。

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