9月以降「2つの下押し要因」 買いで稼ぐは年前半まで…

夕凪所長のイベント投資100% 連載


消費税上げ決定が転機に

4月上旬に行われた日銀の金融政策決定会合の発表を受けて、大幅上昇した日本の株価。これから2年間は日銀によるETF(上場投信)購入によって直接的な株価の下支えが期待できる。このため今から株式をほったらかし保有しても大丈夫のように思える。

しかしながら完全なる安心はできない。今年の9月ごろに株価の押し下げ要因になる出来事が待ち構えているためである。それは「消費税引き上げの決定」である。

昨年8月に消費増税法が成立し、2014年4月から消費税を5%から8%に、15年10月には8%から10%に引き上げる予定である。しかし、まだ本決まりではない。「経済状況の好転」を条件として、本当に引き上げても良いか今年の9月ごろに判断することになっている。

「景気が悪い中では上げない」とのことではあるが、政府として何が何でも消費税を予定通りに引き上げたいはずである。そのために消費税の引き上げを決める9月までには、できる限りの景気対策を行うであろう。株価が大幅に下落しそうな場合は、何らかの配慮を行うであろう。株価に政府の補助輪を付けた形で、しばらく進むと思われる。

そうして無理にでも保たれた株価は「消費税引き上げの決定」とともに、その支えを失う可能性がある。目標を達成したことで補助輪が外れ、ふとしたことで株価が急落する恐れがあるのだ。

実際、1996年に消費税を3%から5%に引き上げた時にも、同じようなことが起きていた。消費税引き上げを閣議決定する前は、今年と同じような株価の大幅上昇が起きていた。そして決定した後に株価が下落していった。

消費税引き上げ閣議決定前後の株価

消費税引き上げ閣議決定前後の株価

グラフは96年の消費税引き上げの閣議決定前後の株価推移と、今年の推移を重ね合わせたものである。今年の株価上昇は相当なペースであるけれど、96年もそれに負けていないことが分かる。そして閣議決定以降に、見事なまでに株価が下落していることが分かる。今年も同じ下落が起きる可能性があるので、かなりの警戒が必要である。

さらに今年の後半に、もう1つ株価の下押し要因が待っている。来年1月からの株式譲渡益に対する税率引き上げである。約10%から約20%へと納税額が倍になる。

松井証券が日々公表している信用評価損益率にて、買い側がここ数日間プラスの状態が続いている。買い手側は相当の含み益を得ていることが分かる。税率が低い今年のうちに、この利益を確定する行動に出ることは容易に想像がつく。今年の後半の株価は、かなり厳しい状況に立たされることになるであろう。

できれば2年間は日銀や政府が安定的に株価を保つような施策をしてほしいところである。しかし、これらの事情を考慮すると、今年の前半のうちにできるだけ買いで利益を得る。そして後半は様子見、もしくは売りで利益を得るような作戦がいいように思える。消費税引き上げを決定した瞬間が、その切り替えタイミングになるであろう。

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