ウェルズ・ファーゴ(WFC) 米国住宅ローン市場シェア約30%

今注目の米国株! 連載


先日発表された3月雇用統計は予想を大きく上回ったものの、市場における株価調整は短期的に留まり、むしろ金融緩和継続への期待が高まった。

一方、10日に発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録では、複数のメンバーが「資産購入プログラム(QE3)」の年内解除を支持していたことが明らかとなっている。足元の市場はこのQE3を背景とした金融相場となっており、連銀による出口戦略が議論されてきていることには注意しておいた方がよさそうである。

さて、今回ご紹介したい銘柄は住宅ローン最大手の銀行であるウェルズ・ファーゴ(WFC)である。同社は金融危機で倒産寸前となったワコビア銀行を2008年に買収し、米国住宅ローンの市場シェアを約30%程にまで伸ばした。

数年前まではバンク・オブ・アメリカ(BAC)の市場シェアが20%程となっていたが、同行はサブプライム問題に絡んだ費用増加などを背景に、そのシェアは現在4%付近にまで低下している。現在のシェア第2位はJPモルガン(JPM)の10%程である。昨年は銀行銘柄にとって非常に良い年となり、WFC株も堅調な業績を背景に約26%上昇した。

しかし、直近、米国では歴史的な低金利を背景に住宅ローンの借り換えブームが起こっており、今年はこのペースが減速するとの見方が強い。

この短期的な見方には賛成であるが、同社の中長期的な成長見通しは明るい。上記のように、ワコビア買収を通じて同社の資産規模は大幅に増加した。同社はサブプライム問題に起因した問題が少ないが、その理由は同行のローン貸し出し基準に対する厳格な姿勢がある。

同行は住宅ローン・ブームの07年までの間、貸し出し基準を緩めなかったことから、住宅ローン延滞率の上昇などによる悪化を最小限にとどめることができた。現在は質の劣るワコビア資産を買収したことでコストの増加が見られるものの、これらの資産クオリティーを改善させることができれば、同社の収益力は金融危機以前よりもかなり高い水準の利益が見込めると言えよう。

現在の株価水準は金融危機以前の水準にまで回復しているが、現在の同社シェア、資産規模、経営陣によるコンサバな経営姿勢などを考慮すると、株価の上値はまだまだ期待できそうである。

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