コムキャスト(CMCSA) 全米最大手のケーブルTV 卓越したキャッシュ・フロー創出力

今注目の米国株! 連載


米国市場は若干売り手による攻勢が強まってきた。直近で発表されているマクロ指標の一部には改善が見られておらず、ここまで上昇してきた株式市場をさらに押し上げる力は見られない。

来週以降は、第1四半期の決算発表の時期に入ってくるが、前期に聞かれたような楽観的な経営陣コメントが今回も期待できるかどうかは疑問である。

さて、本日は全米最大手のケーブル会社であるコムキャスト(CMCSA)をご紹介したい。米国におけるケーブルTVの加入世帯率はすでの90%ほどとなっており、成長という面では既に成熟しつつある市場である。

しかし、注目していただきたいのは、同社のキャッシュ・フロー創出力である。米国では、ケーブルTV、インターネット、固定電話をバンドル化して提供する“トリプル・プレイ”と呼ばれるサービス形態が一般的であり、同社は昨年ネットワークのアップグレードを完了し、競合よりもクオリティーの高いサービスが提供できるようになった。

成熟する市場おいて業績を伸ばすためには競合社からのシェア獲得が必須であり、質の高いサービス提供が可能となった同社の競争ポジションは良好と言えよう。過去数年では、大手通信会社がケーブルTV市場に参入してきたが、CMCSAのサービス地域は全米に広がっており、競争激化による業績への圧力は、ほかの競合に比べてかなり限定的となっている。

また、同社は今年に入り、メディア大手のNBCUを買収した。以前、メディア企業のニューズ・コープ(NWSA)をご紹介したが、その際、TVコンテンツを有する企業による価格力を説明した。ケーブル企業であるCMCSAは、これらのメディア企業に対してコンテンツ料を支払う側であり、競争面から見るとそれほど魅力的には見えないかもしれないが、コンテンツを有するNBCU買収を通じて戦略的にその悪影響を軽減したと言えよう。

米国では、このケーブルTVに加え、ディレクTV(DTV)などが提供する衛星放送も一般的である。しかし、衛星放送ではインターネットや固定電話などのサービスは提供できず、上昇するコンテンツ・コストに対する策は限られている。

上記したように、CMCSAは高いサービス・クオリティと“トリプル・プレー”にを通じた価格引き上げが可能であり、米最大の加入者も有することでコストの分散が実現できている。株式市場の短期的な展望はどうであれ、キャッシュ・フローをしっかりと生み出し、株価バリュエーションも割安な企業に対する行動は“買い”である。

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