グレイコ・インク(GGG) 塗装スプレー機で高い競争力

今注目の米国株! 連載


直近の米株式市場では、調整シナリオが除々に鮮明になってきている感じがする。

年末の増税を受けた消費への影響、今月終わりに向けた政府のつなぎ予算協議の活発化、欧州情勢不安の再燃などである。とはいえ、昨年のようなギリシャによるユーロ離脱といった大きなマクロ懸念もない中で、市場における調整は軽微に留まるとの見方も強い。また、米住宅市場の回復を背景とした雇用環境改善は、中期的な景気見通しを明るくさせるものである。

こうした中、今回は景気回復時に向け良好なポジションにある企業を紹介したい。グレイコ・インク(GGG)である。同社は自動車や住宅向けに使用される塗装のスプレー機を製造・販売している。会社からの正確な開示はないものの、売上高の半分程は自動車向けスプレー機器から得られているとみられ、この事業の魅力は高い。

顧客はGM、フォード、トヨタなどを対象としており、同社製品はグローバル自動車生産の約80%で使用されている。自動車メーカーにとっては最後の仕上げである塗装というのは消費者に対する印象を左右する意味で非常に重要となるが、各社にとっての塗装コストは低いため、同社の価格引き上げ要求に対する顧客からの抵抗は低い。

また、同社売上の40%程はスプレー・ノズルなどの取り換え部品から構成されている。通常、塗装材料には研磨剤が含まれているため、購入者は一定期間毎にこれらの部品を買い替える必要があり、GGGにとっては非常にマージンの高いビジネスとなっている。

競争環境に目を移すと、競合各社とされている多くの企業は一部の事業をこの塗装分野に向けている大手コングロマリット企業であり、その注力度はそれほど高くない。GGGは売上高の約5%を研究開発費に充てており、売上比率という面では他社を大きく上回る。

塗装機器に特化した同社は十分な研究開発費を武器に、製品イノベーションを継続的に行っている点も競争ポジションの維持につながっている。また、同社の製品販売はサード・パーティに委託しており、自社でセールス人員を抱えていない。同社のすごいところは、自社セールスを使用していないにも関わらず、サービス・クオリティを高く保っていることである。

同社は製品保証を100%行っているものの、毎年の品質保証に関する経費は売上の1%以下に留まっている。製品質を維持できるのであれば、セールス・フォースを持たないことでマージンは高水準を維持できるという事である。自動車向け以外では、住宅市場もエンド・マーケットとなっているが、直近見られている米住宅市場改善による恩恵も期待できるのではないだろうか。

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