C.H.ロビンソン(CHRW) 米国最大の規模の物流会

今注目の米国株! 連載


株式市場はしっかりとした調整がなかなか見られず、市場では何が売り要因になるかを探している節がある。足元の金融緩和環境継続に加え、欧州債務危機が落ち着き、企業業績はまずまず、政府の自動歳出削減への懸念も高まっていない。

しかし、最近の市場は非常に短気的なトレードが目立ち、分刻みでの値動きを〝追う〟動きが見られている。今後の売り材料を見つけるのは難しいが、1つ警戒したいのは、現在のQ1業績予想は前年比でのマイナスが予想されているということである。

こうした中、今回はC.H.ロビンソン(CHRW)を紹介したい。同社の事業はサードパーティ・ロジスティクス(3PL)と呼ばれる流通サービスである。簡単にいうと、小売企業などの顧客と、運送業者を結ぶマッチ・メーカーである。同社の顧客アカウントは3万6,000以上に上り、提携している運用業者の数は4万900以上と、国内最大の規模を誇る。顧客にとっては、自分たちで運送業者に探す必要がなく、同社サービスを使用する事で商品配送のコスト低下が可能となる。

一方、運送業者にとっては常にトラックを一杯にして目的地まで行けるため、非常に効率の良い運送が可能となる。米国運送業者の95%が保有する平均トラック数は20車ほどであり、このような運送業者にとってCHRWのようなブローカーの存在は重要である。提携している顧客/運送業者の数を背景に、同社の競争ポジションは非常にしっかりしており、競合が真似をしようとしてもなかなかこの規模にまでは拡大できない。

ロジスティクスは通常景気による影響を大きく受けるものであるが、過去の同社業績は非常に安定している。1つの理由として、同社はトラックを保有しておらず、事業自体が資本集約的でないという点が上げられる。

より重要なのは、同社は顧客とは1年程の契約に基づいた手数料ベースの支払いを受けているが、運送業者に支払うコストはスポット・ベースで行われている。つまり、景気悪化で運送ボリュームが低下した際、運送業者に支払うコストはすぐに低下させる事ができるが、顧客からの受け取り手数料はすぐに低下しない。米国におけるリセッションの期間は大体2年程であり、顧客との契約タームを考慮すると、景気悪化時にはそれなりの悪影響は受ける。

しかし、そのインパクトはかなり小さく、直近のリセッションである2008年/2009年時でも同社の営業利益は前年比プラスを維持した。景気による悪影響が小さいと言われる大手製薬会社でもこの2年間の営業利益はマイナスになっていたことを考えると、同社業績の安定性はかなりのものである。

直近、トラック・ドライバー不足を背景に利益率回復が過去と比較して遅くなってはいるものの、これは短期的なものであり、同社の事業ファンダメンタルズに影響を与えるものではないと思われる。直近の株価下落は絶好の投資機会を与えているのではないだろうか。

戻る