ステリサイクル(SPCL) 医療保険制度改革でビジネスチャンス

今注目の米国株! 連載


この3月1日から始まる米政府の自動歳出削減に対する市場の見方は依然として楽観的である。

この歳出削減の半分は国防関連が対象とされることになっているが、1月終わりから国防関連企業により構成されるS5AERO指数が対S&P500指数で大きくアンダーパフォームしていることは気にかかる。この歳出削減の残り半分の行き先が不透明な中で、単に市場ではその影響が理解できていないだけではないだろうか。

確かに、高齢者向け医療給付(メディケア)などの一部歳出項目については、実際に歳出が減少するのは翌財務年度にずれ込む可能性があり、2013年GDP(国内総生産)に与える悪影響は軽微との見方はある。それだけで話が済めば、それはそれで安心であるが、現在の株価水準を考慮すると、やはり警戒感をぬぐいきれない。

さて、今回はこれに一部絡んだ銘柄であり、財政協議がどのように進展しても恩恵を受けそうな企業を紹介したい。ステリサイクル(SPCL)である。同社はゴミ収集業者であるが、SPCLは医療廃棄物の収集のみを対象としている。オバマ政権が10年に医療保険制度改革法案を可決したが、この法案は分かりやすくいうと、現在民間の医療保険に加入できていない国民の大半を、税金を使って医療保険に強制加入させようというものである。

米国で大きな問題となっている医療コストの低下につながるかどうかは別として、被保険者が増加するにあたって医療廃棄物が増加するというのは単純に想像できよう。同社の業績は取り扱う廃棄量の数に比例しており、同社業績の成長見通しは明るい。

また、このような良好な市場トレンドだけでなく、同社の事業自体もしっかりしている。医療廃棄物の取り扱いに対する規制は非常に厳しく、これはどの収集業者でも行えるというわけではない。同社は米国において唯一、医療廃棄物の処理施設をも保有するオペレーターであり、この縦の統合を行う事による規模の優位性は高い。米国の病院というのは非常に運営効率が悪く、彼らにとっては最も効率的に医療廃棄物を処理してくれる業者が必要なのである。

同社の市場シェアは40%程と非常に高く、その売上高規模は2番手企業の約17倍である。また、この事業規模を背景に、医療廃棄物を収集する行員、個人診療所の数が増えれば増えるほど、同社による収集1回当たりのマージンは高くなる。

“量が増えればもうかる”事業体質は、大きく変化する米国の医療トレンドに対して良好なポジションにあると言えよう。

戻る