マスター・カード(MA) “ネットワーク効果”が強み

今注目の米国株! 連載


これまで堅調な値動きを見せてきた株式市場であるが、さすがに上値が重くなってきた。決算発表期が終わりつつある中、今後の財政協議本格化を控え、投資家の買い意欲はやや後退している。

ただし、この最近見られている傾向としては、セクター、個別銘柄間の相関が低くなっているという事である。1つの理由としては、昨年のような欧州債務危機や財政の崖といったような市場全体を左右するマクロ要因がない事であろう。これらのリスクがなくなったわけではないが、現在のような市場環境下では、銘柄選別が重要になっているとみる。

こうした中、今回はマスター・カード(MA)を推奨したい。同社は支払いネットワークの最大手であり、一番の魅力は“ネットワーク効果”と呼ばれるものである。このネットワーク効果とは、製品/サービスなどをある場所で一人が使用していても、ほかの場所で別の人が使用できるという事を意味する。つまり、同社ネットワークは複数の人々が同時に使用でき、規模の経済が働くことになる。同社ネットワークの稼働率は依然として7割程度であり、マスター・カードの利用者増加に対する余力はかなり残されている。

同社に対する一番の懸念は、規制強化を背景とした手数料収入の低下である。直近の第4四半期業績においても、堅調な決算実績を発表したにもかかわらず、欧州での規制強化懸念から株価の反応はさえなかった。しかし、過去の例を見てみると、この規制強化が手数料収入の低下につながったという正確な実例は見られない。例えば、オーストラリアでは規制強化により、手数料率の大幅引き下げが行われたものの、同国地域の支払いボリュームに低下は見られなかった。特に、ギリシャを中心とした欧州諸国では、実質消費を正確に把握できていなかったことが、税収確保が正しく行われなかった一要因であるとされており、これまでの現金による消費からカードでの支払いを促進する動きもあるようである。

同社の事業構造は、製造業のような資本集約的ではないため、景気悪化時にもコスト削減を行うことで、業績への悪影響を最小限に抑えることができる。また、少し長期的な話かもしれないが、積極的な金融緩和を背景にインフレを警戒する声も徐々に増えつつあり、金額ベースでの支払い量との相関が高い同社業績は、インフレ時でも高い成長性が期待できると言えよう。

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