西華産業(8061) 名門企業が攻めの経営に

平野憲一の相場表街道/裏街道 連載


平野 憲一氏

平野 憲一氏

西華産業(8061)は発電関連機器と一般産業機器を主力とする三菱系機械商社。以前より三菱重工の火力発電設備の納入とその後のメンテナンスで、安定的な収益を上げてきた。配当政策も安定配当こそが株主に報いるものとしてきたが、昨年から配当性向35%をめどに株主還元する方向に変わった。前2014年3月期1円増配、今15年3月期もさらに1円増配で8円配の予定。同時に17年3月期を最終年とする中期経営計画を発表した。収益の多様化と海外展開を図り、2ケタ増益を目標とするもので、名門企業が攻めの経営に転化したことを示す。

折しも大震災以降、火力発電に頼る日本の発電事業は、老朽化した設備をフル稼働し、連続運転の危険を冒してまで、原発停止分に対応しているが、既に限界となっている。発電設備の更新やメンテナンスで当社の収益構造は盤石で、中期経営計画初年度の今期業績は好調に推移している。会社側の中期目標の達成や、さらにその後の連続増益への自信もうかがえる。収益の多様化では、海外展開や子会社の業績も好調。発電所から出る蒸気を販売する蒸気ビジネスも面白くなりそうだ。

また、原発再開に向け、その安全性を高めているが、セキュリティー機器を含む各種周辺設備も収益に安定的に寄与している。

このように先行きが大きく開け、2ケタ連続増益の可能性があり、期を追うごとに株主還元力が高まってゆく企業が、PER12.12倍、PBR(株価純資産倍率)0.86倍、配当利回り2.55%では評価不足ではないか。株価は、13年5月に350円の高値を付けた後、低位もみ合いを長期間続けていたが、昨年10月を底値にじりじりと下値を切り上げている。この様変わりになった動きは、当社の先行きを暗示しているように思える。本格的水準訂正はこれからではないか。

戻る