続・知られざる「REITの季節性」 買うのは月央/売るなら月末

夕凪所長のイベント投資100% 連載


地銀の“計画売買”背景か

ここ最近REIT(不動産投資信託)市場がとても弱い。昨年11月から今年1月中旬までの約2カ月半の間、REIT銘柄の多くが押し目らしい押し目もなく上昇してきたので、多少の調整は致し方ないといったところであろうか。

その一方で、日銀が国債を買い続けている以上、国債の利回りが大きく上がることもないであろう。従って、比較的安定した配当が約束されているREITの利回りは相対的に魅力があるのは間違いない。一時的に弱くなることがあっても、また見直される時期がやってくるであろう。

そこで、再びやってくるであろうチャンスをとらえるために、REITについて研究してみたい。前回の本コラムにてREIT指数の年間のアノマリーとなる季節性について掲載した。それは、株式と同じようなアノマリーが存在し、11月末から5月頭までは上昇し、それ以降は下落傾向にあるということである。

この時に掲載したグラフから、毎月末に上昇する傾向が見て取れた。そこで今回は、月間のアノマリーについて調査してみることにした。対象は東証REIT指数で、調査期間は2005年1月から昨年12月までの10年間、合計240カ月である。月末が高いことが事前に分かっていたので、月末最終営業日の終値をベースとして月初方向に日にちをさかのぼるグラフを作成した。250カ月分平均化した値である。

グラフの横軸の一番左が毎月末の最終営業日である。グラフの右方向に営業日数をさかのぼっていく。右側に行けばいくほど月初に近づくが、一番右が月初の営業日とは限らない。月によって営業日数が変わるからである。月末営業日から毎月ほぼ存在する18営業日前までをグラフに掲載している。

東証REIT指数月間推移グラフを見ると、明らかにかなり強めのアノマリーが存在する。月末と月初が高く、月央が低いのである。しかも月末から平均で-1.5%程度のため、毎月月央で買って、月末に売るだけで平均して18%の利益(1.5%が12回分)が得られるという、かなり強烈なものである。

一体なぜこんな現象が起きるのであろうか。ここからは完全に推測であるが、REIT売買を主体としている投資家は月間予算を組んでいた「月初にいらない銘柄売り―月末に必要な銘柄買い」という操作をしているのではないだろうか。

REITの主たる投資家は地方銀行と言われている。彼らが月初に会議室で月間計画を立てて、どの銘柄を売り、どの銘柄を買うかを決める。月初に売りで現金化しておき、そのお金で月末までに買う。これを毎月延々と繰り返しているのではないだろうか。

彼らがREITに期待するものは配当利回りであり、譲渡益ではない。従って、購入・売却価格はどちらかと言えば二の次であり、計画を消化するような売買を優先しているのではないだろうか。

今回の調査結果から言えるのは、「REITを買うなら月央、売るのなら月末」が効率がいいということである。このアノマリーを利用して短期売買するのもありだろうし、長期保有銘柄の入れ替えタイミングを計るのもありだろう。

ちなみに、今年の1月は月初と月末が低く、月央が高くなるという、いつもとは逆のパターンになった。当然のことではあるが、本アノマリーが毎月確実に起こるというものではないということは、認識しておいていただきたい。(本紙2月13日付14面)

夕凪所長とは…
証券界会社のプロも参考にしているサイト「ダントツ投資研究所」を主催。現在はフルタイムの個人投資家。株主優待投資を中心に読者の投資力向上を目指したメルマガ「夕凪所長の株主優待最新ニュース」も発行している。
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