立会外分売 その1 割引価格で実施、手数料も無料

JACK流「勝利の方程式」 連載


個人株主増加が主目的

遅ればせながら、新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。まずはスタートダッシュの今月の、ここまでの成果はいかがでしょうか。今回から、こちらでは、新たに「立会外分売投資法」を取り上げたいと思います。

そもそも、「立会外分売」と言われても、なかなかピンと来ないかもしれませんので、あらためて概要を説明したいと思います。

東京証券取引所の用語集には「立会外分売は、売買立会外で、大量の売り注文を分売する売買方法をいい、上場会社の株式分布状況の改善、特に個人株主の増大を図るための方策として広く利用されており、具体的には、取引参加者が顧客から分売により執行することを条件とする大量の売り注文を受託・執行する場合、取引所に届出を行った上、売買立会終了後に分売の条件を発表し、翌日の午前8時00分から午前8時45分までに買い付けの申し込みを受け、売買を成立させます。分売は届出日の最終値段を基準にした固定値段で行われます」と記載されています。

さらに追加で説明させていただくと、その固定値段は最終値段(株価)より、表の通り数パーセントのディスカウントがあり、かつ株式の購入手数料も無料となります。実施銘柄数は、2014年だけで92銘柄もあるところから、投資機会の妙味を感じると思います。

イメージ的には、このディスカウント率に着目して、PO(公募・売り出し)投資同様、貸借銘柄であればその数パーセントのディスカウントのサヤ抜きも可能ではないかと考える方もいらっしゃると思います。まさにその通りですが、こちらはIPO(新規上場)やPOと同様に、買い付けの申し込みをすればすべて当選というような配分があるわけではありません。ましてやPOとは異なり、個人株主の増大を図ることを主目的としていることから、一個人での大量配分の獲得が難しいことから、大型公募増資のようなスケールメリットを効かせたサヤ取りは難しいのが現状です。

しかしながら、この立会外分売に注目して、ここで取り上げるのは、やはりローリスクでリターンを得る投資法の1つだからです。

その中で、まずは、なぜ企業は立会外分売を行うのかという点をあらためて考えたいと思います。

1部昇格候補の発掘も

そもそも立会外分売は、ある企業の大株主が、まとまった株式を公募により売却する方法で、申し込みに1人当たりの割当数に上限を設けることで、株主数が増えることにつながりますから、東証1部の昇格基準の株主数2,200人以上を確保するために行うことが多々あります。

実際に14年においても、エバラ食品は2月26日に立会外分売実施、12月17日東証1部昇格発表、橋本総業は3月14日に立会外分売実施、9月5日東証1部昇格発表、一正蒲鉾は3月19日に立会外分売実施、11月28日に東証1部昇格発表、となっております。

ですから、東証1部昇格をにらんで、ひたすら立会外分売で応募して獲得した株をホールドするということも可能です。しかも、その立会外分売する銘柄に配当や自分の欲しい株主優待が付いていれば、多少の株価下落のストレスも軽減しますし、もしもその優待と配当による実質利回りが5%近い銘柄であれば、2年間で1割の下落までは実質損失がないことになりますから、東証1部昇格発表時の株価上昇で売却というスタンスが取れると思います。もちろん、1年や半年も待てないという方も少なくないでしょうから、そのあたりの投資手法は次回に紹介したいと思います。

2014年後半の立会外分売実施銘柄一覧
実施日 銘柄 コード 分売価格 割引率 実施株数
7月9日 オーウィル 3143・2部 726円 2.94% 15万株
7月15日 ダイヤD 3073・JQ 1,615円 3.00% 6万5,000株
7月23日 エバラ食品 2819・2部 1,773円 2.04% 5万株
7月24日 アサヒHD 5857 1,705円 2.01% 60万株
7月29日 EJHD 2153・2部 991円 2.93% 10万株
7月30日 鈴木 6785・2部 860円 2.93% 5万株
7月31日 ネクステージ 3186・東マ 582円 3.00% 25万株
7月31日 市進HD 4645・JQ 222円 2.63% 50万株
8月5日 研創 7939・JQ 289円 2.69% 14万株
8月7日 フューチャー 4722 500円 2.91% 196万2,600株
8月7日 ジーフット 2686・名2 2,491円 3.04% 17万株
8月15日 アイレップ 2132・JQ 364円 3.45% 72万株
8月19日 電算 3640 1,893円 2.97% 29万1,800株
8月22日 AFC-HD 2927・JQ 710円 2.47% 60万株
8月22日 キムラ 7461・JQ 426円 3.18% 20万株
8月22日 三重交通GHD 3232・名証 247円 3.14% 339万1,000株
8月26日 共和電業 6853 477円 2.45% 30万株
8月27日 PI 4290 906円 2.05% 65万株
8月28日 ハリマ共和 7444・2部 1,192円 3.01% 8万3,000株
9月10日 岡野バルブ 6492・2部 346円 2.54% 79万株
9月12日 OBARA 6877 3,654円 1.51% 6万株
9月17日 ネクステージ 3186・東マ 597円 3.08% 50万株
9月25日 アウトソーシング 2427 1,580円 2.47% 30万株
10月20日 エスプール 2471・JQ 800円 3.00% 11万株
10月28日 アクトコール 6064・東マ 975円 3.08% 2万6,000株
11月7日 モリト 9837・2部 743円 2.87% 50万株
11月20日 チッカリン 4031 243円 3.00% 33万8,000株
11月26日 日本空調 4658 767円 2.91% 15万株
11月27日 ウェッズ 7551・JQ 1,175円 3.05% 13万株
12月2日 トレファク 3093・東マ 2,323円 1.98% 20万株
12月2日 オールアバウト 2454・JQ 590円 4.07% 67万2,000株
12月3日 SDエンター 4650・JQ 1,254円 3.02% 21万5,000株
12月4日 IBJ 6071・JQ 1,455円 3.00% 12万株
12月9日 ヨシコン 5280・JQ 1,029円 2.00% 40万株
12月11日 モジュレ 3043・JQ 765円 3.53% 3万5,000株
12月11日 アインファーマ 9627 3,244円 1.99% 10万株
12月16日 インヴァスト 8709・JQ 1,040円 3.08% 6万株
12月17日 Dアクシス 4245 1,119円 2.95% 10万株
12月17日 CTS 4345・2部 721円 2.83% 8万5,600株
12月19日 三重交通GHD 3232・名証 265円 2.93% 190万6,600株
12月24日 イデアインター 3140・JQ 1,716円 3.05% 14万6,500株
JACK(ジャック)とは…
個人投資家。バーテンダー、予備校講師、公務員、サラリーマンと多彩な職歴を歩む傍ら、IPO(新規公開株)で一気に長年の含み損を一掃し、1億円超の資産を築く。現在は、株式投資の大勝負やバブルのタイミングを待ちつつも、不動産投資やFXに開眼。寝る時間を惜しんで必殺技を模索中。株式・不動産を含むあらゆる投資領域において、今後どのような投資法を発掘するかが非常に注目されている投資家である。2012年3月30日、4冊目の投資書籍「サラリーマンの月収をらくらく20万増やす方法」(ごま書房新社・税込1,575円)発刊。
JACKのHP株式のブログ不動産とFXのブログを運営。
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