知られざる「REITの季節性」 半期末から上値指向に

夕凪所長のイベント投資100% 連載


5月連休明けピークは株式同様

最近の日本市場においてはREIT(不動産投信)銘柄が強い。今年(2015年)における東証REIT指数の上昇率は1月第1週終了時点で前年末比約+2.2%となった。一方で、同じ時期の日経平均は約-1.45%と対照的な推移である。昨年(14年)についても、東証REIT指数は年間で約+25.3%。一方、日経平均は約+7.1%であり、REIT銘柄の圧勝だ。

なぜこんなにREIT銘柄が好調なのであろうか。諸説あるが、(1)日銀が継続して買っていること、(2)国債の利回りの低下により魅力的な利回り商品となってきたこと、(3)円安により日本の不動産価格や賃料に相対的な魅力が出て、海外からの何かしらインバウンド需要が見込めるかも。といったところであろうか。

これだけREIT銘柄の値動きが良いのなら、株式銘柄よりもREIT銘柄を主力として売買するのもありだろう。しかしながら、一方でREITは株式と比べて歴史が浅いということもあり、値段の推移について、あまり研究がされていないように思われる。一体どのタイミングで買って、どのタイミングで売れば効率がいいのかという議論を、仲間内でほとんど聞いたことがない。

そこで、まずは年間における季節性、上昇しやすい時期、下落しやすい時期があるのかどうかを調べてみることにした。株式市場では11月下旬が底となり、5月のゴールデンウイーク明けあたりでピークを迎える季節性がある。REITにも何かしらの季節性があるかもしれない。

fig1調査対象期間は05年から14年までの10年間である。東証REIT指数について、前年末の終値を基準価格とした各年の上昇率を平均し、グラフ化してみた。株式との差異があるかどうかを比較するため、日経平均についても同じ条件でグラフ化してみた。

グラフから東証REIT指数にも季節性が見て取れる。おおよそ11月下旬が底となり、5月のゴールデンウイーク明けあたりでピークを迎える。そこから徐々に切り下がっていく。これは株式銘柄と全く同じ季節性である。

また東証REIT指数の年間の上下動は、日経平均よりも大きいことがわかる。REITは賃料という安定性のあるものをベースにしているため、株式より比較的安定している商品だと認識されているだろうが、実際はそう変わらない。

株式にはない、少々面白い特性としては、3月、6月、9月、12月といった四半期末から翌月の頭にかけて、強めの上昇が見られる点である。四半期末以外の月末でも、弱いながらも同じような上昇が見て取れる。

ここからは推測であるが、四半期末については、期末に向けたウインドードレッシングと、四半期初の新規資金流入によるものではないだろうか。毎月末については、月ベースの予算で動いている投資家が意外と多いことを示唆しているのではなかろうか。REITの投資に積極的と言われている地方銀行の計画消化や、個人や企業の積立投信といったあたりである。

以上のことから、年間の季節性を利用した投資法としては、株式同様に11月末から5月頭までは積極的な買いベースで。それ以外の時期は保守的な買いベースでいいのではなかろうか。ちょっと残念なのは株式と全く同じ季節性であるため、株式とREITを季節によって資金をスイッチすることができない点である。日本市場は5月までが買い側にとって快適な時期のようである。

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