本間宗究 相場の醍醐味 2014年を振り返って

本間裕 相場の醍醐味 連載


2014年を振り返ると、結局は、「国債」と「金」とをめぐる世界的な「金融大戦争」において、「最終決戦の年」だったものと感じている。具体的には、「国債を守る陣営」である「日米欧の先進国」にとっては、「国債価格の暴落」を防ぐことができ、また、「貴金属」や「原油」の売りたたきにも、ある程度の成功を収めることができたのだが、一方で、「量的緩和(QE)の終了」や「オランダの金(ゴールド)返還の動き」などのように、実質的には、「これ以上、打つ手が無くなりつつある状況」とも言えるのである。

また、今年の特徴として挙げられる点は「世界的な株高」であり、実際には、いろいろな市場で、史上最高値や年初来の高値を更新し続ける強さを見せたが、この理由としては、「資金の溢れだし」が挙げられる。つまり、「中央銀行の中央銀行」と呼ばれる「BIS(国際決済銀行)」が年次報告書で指摘したように、「各国の中央銀行が、大量に国債を買い付けた資金」が、回りまわって、「株式」や「土地」へ流れている状況のことである。

しかも、この時に、「通貨の番人」であるはずの「中央銀行」が、いつの間にか、「国債の番人」に変化してしまい、「国家」や「通貨」への信認が揺らぎ始めている。その結果として、ヨーロッパの国々が取り始めた行動は、「リパトリエーション」という「海外に保管されている自国の金を国内に戻す動き」であり、前述の通りに、「オランダ」は、突如として、「122トンの金」をアメリカから返還してもらったのである。

また、この時に注目すべき点は、大膨張中の「中央銀行のバランスシート」だが、現在の問題点は、「信用乗数」が急低下していることにある。つまり、「マネタリーベース」という「中央銀行が出す資金」は増えているものの、「マネーストック」という「市中に流れる資金」は、ほとんど増えていないのである。その結果として、現在の「信用乗数」は「約3・5倍」という危機的な水準にまで低下しているが、この数字が「1」にまで低下したのが、「1991年のソ連」だった。

つまり、「中央銀行が出す資金」と「市中に流れる資金」が、同じ金額になる状況のことだが、この時には、すべての資金が「紙幣」となってしまうが、このことが、いわゆる「ハイパーインフレ」と呼ばれるものである。そして、現在は、その前の「ギャロッピング・インフレ」の段階だと考えているが、この時の特徴は、「景気の急回復」であり、また、「株高」でもあるが、このことは、「国債を守る陣営」が、刻一刻と「敗戦」に向かっている状況を意味しているのである。

ロシアの混乱は、間もなく、西洋諸国に移行し、金利の急騰や富裕層による実物資産の購入が顕著になるものと考えている。

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