竹中三佳の株Catch ones`eyeスペシャル enish 安徳孝平代表取締役社長インタビュー【後編】

インタビュー 竹中三佳の株Catch one's eye 連載


好スタート「千年の巨神」は1月韓国でリリース

ソーシャルアプリ・ゲーム業界にあって、女性向けユーザーへの強みを活かしつつ、ネイティブゲーム開発に大きく舵を切ったenish(3667)。株式市場でもそのリリースの前に話題となった新RPG「千年の巨神」も好スタートを切った。安徳孝平社長に竹中三佳さんがenishの今後の開発動向や企業コラボ―レーションなどを単独インタビューした模様を紹介する。(→前編はこちら)

――先日正式オープンした話題作「千年の巨神」についてお聞かせください。

安徳 「千年の巨神」は20歳代後半―30歳代男女をターゲットとしたタワーディフェンス系RPGのネイティブアプリです。ゲームの内容は男性向けですが、女性ユーザーにも楽しんでもらえるように、ビジュアルを可愛らしく仕上げました。これまでのブラウザゲーム主体のチームでのネイティブゲーム開発だったので、経験したことのない問題が次から次へと噴出し、1年の開発期間中、何度も1から作り直しました。2014年は、当社にとって「ブラウザ」から「ネイティブ」へと移行する元年にあたり、そういう面での産みの苦しみもありました。また「Androidに対応したネイティブアプリの開発」「iOS版とAndroid版の同時リリース」も初めてだったので、チャレンジの多い開発だったと思います。

しかし、「千年の巨神」はおかげさまで、リリースして1カ月足らずで50万ダウンロードを達成しました。今後も積極的にバージョンアップを行い、ユーザーに飽きられないよう、イベント、特殊アイテム、モンスターユニットなどをどんどん追加していく予定です。またTwitterを利用し、「Dr.ソールフル」というゲーム内のキャラを通してプレイヤーの声に耳を傾け、質問に答え、何が求められているのかをタイムリーに把握してゲームに活かす努力も行っています。

――O2O(実店舗での購入につなげるためネット上で行われる販売促進やマーケティングな活動)についてお聞かせください。

安徳 ブラウザゲームではさまざまな策を施し、企業とのコラボを積極的に行ってきました。例えば11年の「ぼくレス×ローソン」ではコラボ商品の売り上げが倍増しましたが、ここで重要なのはゲームのメジャー度とユーザー数にあります。ある程度の分母があって初めてパートナーメリットの創出が可能となります。現在、ネイティブゲームに移行したばかりなので、ネイティブユーザーの獲得はこれからとなりますが、ある程度のユーザーが獲得できたら、ネイディブでもコラボ戦略を推進していきたいと思っています。

――現在開発しているゲームについて教えて下さい。

安徳 現在開発中のゲームは6本。大体1本の作品を作るのに理想は10カ月ですが、12カ月から14カ月かかるゲームもあります。その間にブームが変わることもあるので、随時トレンドをチェックして、内容を変更したり機能を追加したりフレキシブルに対応する開発体制を進めています。

――ところで、安徳社長はゲームをプレーされますか。

安徳 実は幼少期からあまりゲームには縁がなく、もちろん、仕事の一環としてはやりますがプライベートではゲームはやりません。制作をしているメンバーはこだわるあまり視野が狭くなり、ゲームが難解になりがちです。フリーミアムの場合は間口を広くする必要があり、そこで私の出番です。私はゲームが下手なので「これちょっとクリアできないけど」と素人代表としてゲームをチェック。特に女性向けのゲームはゲーム慣れしていないユーザーが多いため、リリース前のテストプレーで「安徳社長がクリアできたなら良いバランスだ」と社内ジャッジが下されています(笑)。

女性向けで基盤固め、男性向けで瞬発力

――今後の事業展開の方向性をお願いします。

安徳 業界の主流がネイティブゲームに移行し、スクウェア・エニックス(9684)などの大手ゲーム制作会社の参入で、競争環境は激化しています。今後はコンシューマーゲームと同様に開発費用の掛かった大作ゲームだけが残っていく可能性もあります。移り変わりの激しいゲーム業界の中で、女性向けゲームは比較的競争環境が緩やかですから、当社は強みである女性向けゲームの拡充と新規女性ユーザーの獲得数を着実に伸ばすことにより差別化を図って参ります。女性向けゲームで数字の基盤固め、男性向けゲームで瞬発力を発揮する。そして、ネイティブゲームのグローバル展開の足掛かりとして、まずは「千年の巨神」を1月初旬に韓国でリリースする予定です。

――最後に株主へのメッセージをお聞かせください。

安徳 ネイティブ元年の今年を終え、来期以降は、しっかり業績を伸ばしていきます。まずはゲームのファンになってもらえるような作品の開発にまい進して参りますので、応援いただければ幸いです。

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