取材の現場から エアバッグ問題、全メーカー動きだす 顔が見えないタカタの対応

取材の現場から 連載


かたくなな姿勢の背景にあるもの

くすぶっていたタカタ(7312)のエアバッグ問題は、ここへきて自動車メーカーが動きだし、本格的な原因究明に向けた流れが加速。それなのに、タカタの対応は依然として消極的だ。その姿勢には、どうしてもモヤモヤ感がぬぐえない。

タカタ(7312) 週足

タカタ(7312) 週足

一言で言うと、タカタの「顔」が見えないのがモヤモヤの原因だ。米議会公聴会で説明にあたったのは、品質保証本部シニアバイスプレジデントで、取締役ですらない。ストッカー社長や創業家の高田重久会長は一切表に出ない。会長名のステートメントや謝罪のペーパーを出しただけ。しかし、タカタを取材する記者らは「あの会社は、そうなんだよ」と苦笑いする。

「高田会長のインタビューはもちろん、通常の取材も受けないのが基本。エアバッグやシートベルトは、安全設計にかかわるので情報を出せないと説明するが、一方で、チャイルドシートの取材はちゃっかり受ける。チャイルドシートは一般消費者向けの商品なので、宣伝効果があるから取材OKなのだ」(自動車担当記者)

タカタのそうした体質は自動車業界では知られるところだが、米議会の公聴会でも従来通りの対応をとり、米国民に不安感、不信感を植え付け、タカタ問題は日本の自動車産業の問題に発展しかねない段階までこじれてしまった。

それを見越したトヨタ(7203)は12月2日、独立した第三者委員会を設立し、合同で原因調査を行うことを提案。

「公聴会での追及を経験しているトヨタには、タカタの対応があまりにお粗末に見えたのだろう。そのせいでトヨタ自身もとばっちりを食いかねない。トヨタは系列に豊田合成(7282)もあり、タカタのエアバッグの採用率は低いが、あえて自ら事態解決に乗り出したとみていい」(前出・記者)

ホンダ(7267)もこれに呼応し、全世界でのリコールを表明し、マツダ(7261)をはじめに他社も追随。しかし、タカタはまだかたくななようだ。その背景には、過去の経験があるとの指摘もある。

「タカタは1995年にも米国で、シートベルトのリコール問題があった。その際、自動車メーカーではなくタカタの名前が先行して報じられ、タカタはこれに何らかの謀略的なものを感じたという。今回も米道路交通安全局(NHTSA)の指摘から火が付いたことから、今回も何らかの政治的意図があるのではないかと感じているようだ。米国では今年3月からGMの欠陥問題がくすぶっていた。その矛先を別の会社に向けようという意図があるのではないかというわけなのだが…」(在米ジャーナリスト)

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