「株を枕に」年を越せるか? トレンド判定加えて実績アップ

IPO 夕凪所長のイベント投資100% 連載


納会→発会、平均+1.17%

年末まで、あとわずかとなった。新年になれば年次の成績はゼロからのスタートである。緊張感を持って始めることになる。できることならスタートダッシュを決めたいところである。年初からいきなり大幅プラスの状態で始めることができれば、その後の取引に対して精神的に余裕を持つことができる。

スタートダッシュするにあたり最も重要となるのが、ポジションをどれだけ持って年末年始を過ごすかということである。今年の最後の取引日となる大納会は12月30日。翌年の最初の取引日となる大発会は1月5日。この間の5日間、ポジション調整が何もできない状態となる。いいニュースがあっても攻めることはできないし、悪いニュースがあっても逃げるこができないのである。

リスクの制御ができないという観点からは、ポジションを持たない方が無難ではある。年始からいきなり危ない橋を渡ることもない。しかしながら、株式の格言に「株を枕に年を越す」というものがある。つまりはポジションを持って年を越した方が良いというものである。確かに、誰もリスクを取りたがらない時こそがチャンスになりやすいのが株式市場である。年末にいったんポジションを閉じた人の資金が、年初に流入してくる可能性も考えられる。

そこで実際に「株を枕に年を越す」方がいいのかどうか、調べてみることにした。日経平均について、1991年から昨年までの23年分、大納会の終値から大発会の終値まで上昇率を調べてみた。

結果は、平均上昇率0.58%で大幅プラスである。日経平均が1万8,000円とすれば、約105円の上昇が見込める。勝敗については16勝7敗と、マイナスの年もそれなりにあるが、「株を枕に年を越す」というのは近年において正しい格言である。

しかしながら、実際に投資する場合に気をつけなければいけないのが、マイナスになった場合、ドカンと大きめに出ることがあるということである。2007年末から08年初めの金融危機のさなかに株を枕にした場合、いきなり-4%の大幅下落を受けることになった。この時ばかりは持ち越さないのが大正解であった。

それなら、大幅下落がありそうな年は持ち越さず、それ以外の年は持ち越すという、とっても都合のいい、強欲的な判断基準はないものだろうか。そこでトレンド判定を加えてみる。相場が上昇基調であれば、そのまま上昇し、下落基調であればそのまま下落していくという傾向が調査の過程でなんとなく読み取れるからである。

そこで大納会における25日移動平均かい離率に対する、大発会における株価の上昇率の関係について調べてみた。

fig1結果はグラフをご覧いただきたい。横軸がかいり率、縦軸が上昇率である。ここからわかるのは、かい離率がプラスとなるグラフの右側、つまりは上昇トレンドであれば、「株を枕に年を越す」方が良くて、そうでなければ枕にしない方がいいということである。一言でいえば「25日平均移動線よりも上で大納会が終了しそうなら買え!」である。

この判断基準で「株を枕に年を越す」場合、平均上昇率は1.17%でかなりの大幅プラスとなる。日経平均が1万8,000円とすれば、約210円の上昇が見込める。勝敗についても11勝3敗と、かなり勝率が高い。

ちなみに、「株を枕に年を越す」場合でも、そうでない場合でも、大発会の株価がいったんのピークとなり、その後数日間は軟調な展開となる。短期的目線での勝負であれば、大納会で購入し、大発会で売却するという戦略が優れている。

夕凪所長とは…
証券界会社のプロも参考にしているサイト「ダントツ投資研究所」を主催。現在はフルタイムの個人投資家。株主優待投資を中心に読者の投資力向上を目指したメルマガ「夕凪所長の株主優待最新ニュース」も発行している。
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