「騰落レシオ」の信頼度を探る 優位性発揮は60割れから

夕凪所長のイベント投資100% 連載


効率重視で早期の利食いを

長期間にわたり株価下落が起きると、話題になる指標として「騰落レシオ」がある。この値が70より下の値になると、もうそろそろ株価は下げ止まるのではないかと意識される。実例として、先月の10月中旬に騰落レシオが70を切ったことがあった。ちょうどその時に相場全体が底を打ち、大きく反発して今に至っている。このことからも信頼できる指標として参考にしている方も多いのではなかろうか。

では実際のところ、本当に「騰落レシオ」は信頼してもよいものなのであろうか。私が調査した結果を先に言ってしまえば、「60より大きな値の時には買いに優位性が見られない。60を切った場合に限れば買いに優位性が見られる。その値の出現頻度は年に1度あるかないかというめったに出ない条件になる」ということである。

この調査の前提条件は、対象期間が1997年2月から2014年9月までの17年ちょっと。騰落レシオの計算方法は、東証一部の銘柄について「値上がり銘柄数の25営業日間合計÷値下がり銘柄数の25営業日間合計」×100であり、通常よく使われている値である。

優位性のありなしについては騰落レシオと25営業日後のTOPIXの上昇率との関係で判断した。25営業日後という日数を採用したのは、騰落レシオが25日営業日平均を利用しているためである。

以上の条件で、騰落レシオが70を切った場合について調べてみると、25営業日後のTOPIXの平均上昇率は-0.9%であった。このことから上昇は期待できず、逆に下落してしまうことがわかる。ちなみにこの70を切るような出現頻度は年に13回程度である。

fig1騰落レシオが65を切った場合は、25営業日後のTOPIXの平均上昇率は-0.37%であった。出現頻度は年に4回程度である。

騰落レシオが60を切った場合は、25営業日後のTOPIXの平均上昇率は+1.95%であった。ここでようやくプラスとなり、買いにいってもいいかなという値になる。出現頻度は年に1回少々程度であるが、実際には特定の年に出現が偏る傾向にあり、年に1度もないことも結構ある。

掲載したグラフは騰落レシオが60を切った日をベースとしたTOPIXの推移を示している。横軸が営業日数であり、縦軸はTOPIXの平均上昇率である。横軸0が騰落レシオ60を切った日である。

グラフからわかるのは、急激な株価V字回復は5営業日程度で終了し、あとはヨコヨコの動きとなり、素直な上昇には転じてはくれないことである。効率が一番いいのは、5営業日頃にさっさと利益を確定してしまうこと。25営業日目までの範囲では、長く保有していてもあまりいいことはない。

では実際に騰落レシオが60を切ったら買いにいけるかと言えば、かなり難しいであろう。60を切るような状況はリーマン・ショック時のような市場に激震が走っていてパニック的な下落になっているはずである。1日当たりの上下の値幅も激しく、買うのはためらうような状況であると推測できる。

騰落レシオが60を切らない時には買いに優位性はなく、60を切った場合には買いをためらうような相場状況にある。投資判断として利用するには、なかなか取り扱いが難しい指標のようである。

夕凪所長とは…
証券界会社のプロも参考にしているサイト「ダントツ投資研究所」を主催。現在はフルタイムの個人投資家。株主優待投資を中心に読者の投資力向上を目指したメルマガ「夕凪所長の株主優待最新ニュース」も発行している。
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