取材の現場から 経産省が高速道路の無料化策

取材の現場から 連載


日産の急速充電器計画と連帯!?

高速道路の無料化というと民主党のマニフェストだったが、経産省が今、これを推進しようとしている。

来年度予算の概算要求で経産省は、「次世代自動車インフラ整備のための高速道路利用実態調査事業」という名目で、8億円を新規に計上している。EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池車)といった次世代車の長距離走行のデータを集めるという政策で、高速道路で長距離走行した利用者に調査費用を支払い、走行データなどを収集するというのだ。これによりEVなど次世代車ユーザーは、高速利用料が抑えられる。

日産(7201) 週足

日産(7201) 週足

「この施策は、調査費を名目にしたEV普及策だ。CO2削減のため、経産省は次世代車を2030年までに5-7割にすることを目指している。4月に策定したエネルギー基本計画にも盛り込んだ。しかし、EVの台数は伸び悩んでいる。FCVが市場投入されるが、水素ステーションのインフラ整備は不十分で、当面は台数が見込めない。次世代車の数値目標達成のためには、EVを売らねばならない。そこで、EV普及促進ため、ドライバー向けの補助金制度を打ち上げたのだ」(経産省担当記者)。

8億円の財源はエネルギー対策特会から出すことも決めているが、財務省は「高速無料化につながるバラ撒き政策だ」と難色を示しており、予算が通るか否かは微妙。

その中、日産(7201)がEV普及策を発表。全国の充電器が使い放題となる新プランを出した。来年3月までに高速道路などに急速充電器が配備され、全国で計6,000基になることも明らかにした。経産省の政策との連携が透けて見える。

ともかく今後、さまざまな形でEV推進策が出てくるようだ。日産や三菱自動車(7211)には追い風となる。また、EV普及には急速充電器の普及は不可欠で、これは充電器メーカーにとってもいい流れだ。東光高岳(6617)富士電機(6504)ニチコン(6996)菊水電子工業(6912・JQ)安川電機(6506)日立製作所(6501)シンフォニアテクノロジー(6507)日東工業(6651)などには商機となる。

また、EVの普及によって充電器のインフラのネットワーク・サービスも高度化してくる。そうした事業は日立や富士電機(6504)も手掛けているが、日産向けEV電池を開発・製造しているNEC(6701)にアドバンテージがあるのではないだろうか。

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