第17回 日本精密(7771) 上方修正は企業変身の第一弾

平野憲一の相場表街道/裏街道 連載


平野 憲一氏

平野 憲一氏

日本精密(7771・JQ)が24日(金)に急きょ発表した今2015年3月期上期の連結業績予想修正の増加率は、営業利益76.5%、経常利益380%、純利益507.7%というとてつもない数字だった。株価の反応が落ち着いているのは、売上高の増加率が0.7%と、利益の増加率に比べ低いことと、利益の増加の中に為替差益が入っていることで、一時的な現象ととらえられたのではないか。もしそうだとしたら、その認識は間違っていると筆者は思う。

同社は金属時計バンドだけでなく、ほとんどの時計部品に関与し、時計関連売上高比率は既に64%となっており、カシオの信頼厚く、「Gショック」戦略にしっかり組み込まれている。共同で立ち上げたカンボジア工場は時計部品のアジアの一大供給基地として7月から稼働し始めたばかりで売り上げに寄与するのはこれからだ。さらに同社は早くからベトナムに進出し、ベトナム工場は高水準の生産技術を確立しており、カシオ以外の商談も進行している。今回の上方修正で売上高より営業利益の増加率が高いことで、価格交渉が有利に進んでいるのが分かる。

日本精密(7771) 日足

日本精密(7771) 日足

高収益体質を確立しながら、売上高も今後大きく伸びることが予想される。それは、チャイナプラスワンに動きだした精密企業群が同社を最大の生産基地とみているからだ。また同社も、チャイナプラスワンの受け皿はわが社しか無いと自信を持って言明している。今回の上方修正は企業変身の第一弾にすぎず、今後もさらなる上方修正が期待できる。チャートを見ると、株価は9月24日に174円高値の長い上ヒゲを出している。昔、上ヒゲは相場の終わりを意味したが、最近はプログラム売買の発達で大相場のスタートシグナルとなる場合も多い。同社の趨勢(すうせい)を考えたら174円抜けからが本番だと筆者はみている。

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