本間宗究 相場の醍醐味 世界の「失われた20年」

本間裕 相場の醍醐味 連載


日本の「失われた20年」については、誰もが認める事実であり、実際に、実体経済の指標である「GDP(国内総生産)」は、この間、ほとんど伸びなかったことが見て取れるのである。しかも、この期間中は、日本では「ゼロ金利」の状態であり、実際に、「個人」や「企業」などが受け取る金利も、ほとんど「ゼロ」だったのだが、この原因として挙げられるのが、今から20年ほど前に起きた「アメリカのデフォルト(債務不履行)騒動」だったようである。

具体的には、「1990年の日本バブル崩壊」、そして、「91年のソ連崩壊」を受けて、「95年」に「アメリカのデフォルト」が真剣に危惧(きぐ)されたのである。その結果として、「過去20年間」に起きた事は、世界的な「マネーの大膨張」であり、このことが、「アメリカの財政問題」や「金融システムの行き詰まり」を隠す効果があったようにも思われるのである。

より具体的には、「デリバティブ(金融派生商品)」の残高が、当時の「約3000兆円」という規模から急増し、その後、「2000年に約8000兆円」、そして、「07年には約8京円」という「信じられないほどの規模」にまで膨らんだのである。別の言葉では、かつて共産主義国であった「ソ連(ロシア)」や「中国」までもが「資本市場」に参入したために、これほどまでの「金融商品の拡大」が起きたものと考えているが、このことは、世界の「失われた20年」とも言えるようであり、また、今後の展開を考えると、まさに、恐るべき事態が待ち構えているようにも思われるのである。

つまり、「1995年」と「現在」とを比較すると、「デリバティブ」のみならず、「中央銀行のバランスシート」や「先進国の国家債務」などが、文字通りに「けた違いの金額」にまで膨らんでいるのである。しかも、現在では、「日米欧の国々が、最後の段階まで、問題の先送りを図っている状況」とも言えるために、先送りの限界点に達した時の「大混乱」が気に掛かる段階とも言えるのである。

別の言葉では、「第二次世界大戦時に、どのような展開で敗戦を迎えたのか?」ということだが、実際には、「神風特攻隊」により「戦力」が激減している状況下で、「原爆投下」という悲惨な事件が起きたのである。そして、このことを、現在に当てはめると、「日銀のマイナス金利」が「神風特攻隊」に相当し、「原爆投下」が「金融界の大量破壊兵器」と言われる「デリバティブの崩壊」に当てはまるようにも思われるが、この時に気になるのが、最大の保有国である「イギリス」でもあるようだ。

10月7日付の英FT紙では、デリバティブのルール変更が報道されるとともに、第2のリーマン事件が起きる可能性が示唆されているようである。

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