第11回 メディシノバ(4875) 有望新薬で大化けの夢

平野憲一の相場表街道/裏街道 連載


平野 憲一氏

平野 憲一氏

当欄で前々週、薬品ベンチャーのメディシノバ(4875・JQ)を紹介したが、原稿を入れた8月26日以降3本の材料がリリースされた。

1本目は入れ違いの8月26日、開発コードMN-166がALS(筋委縮性側索硬化症)を適応とするフェーズ2a臨床治験開始の知らせ。ALSとは治療法が無いと言われる難病で、世界的注目を集めた氷水をかぶって寄付を集めていたあの病気。MN-166(イブジラスト)とは日本と韓国で喘息(ぜんそく)と脳梗塞(こうそく)の薬として20年以上使用されているもの。2004年にキョーリンからライセンス導入して、神経疾患や依存症の薬としてアメリカで用途特許を取得している。

2本目は9月2日、開発コードMN-001の肺線維症モデル試験結果についての学会発表が決まったというもの。突発性肺線維症も難病で、平均余命は診断から3-5年と言われ、米国では毎年4万8000人が罹患(りかん)診断されている。

メディシノバ(4875) 日足

メディシノバ(4875) 日足

3本目は9月8日、MN-166のオピオイド依存症治療を適応とする臨床治験に対する国立衛生研究所(NIM)の助成金追加供与決定の知らせ。オピオイドとは麻薬系鎮痛剤やヘロインのこと。

それぞれ妙味な材料ながら、薬として売り出されるにはまだ時間がかかるためか、株価は底値切り上がるものの、リリース当日のチャートを見ると株価は上ヒゲとなって大きな水準訂正にはなっていない。しかし同社の本当の妙味はほかにある。有効な治療法のない非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対するMN-001の可能性だ。これは前2症に比べるとけた違いで、日本円換算1兆円の市場規模が予想される。現在FDA(米食品医薬品局)と治験許可のミーティング中で、場合によると来月にも許可が下りる可能性もあり、現在65億円の時価総額が数千億円に化ける夢を見れる株だ。

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