ADT ホーム・セキュリティーで断トツの最大手

今注目の米国株! 連載


バリュー・プラクティス氏の米国現地報告 今注目の米国株!

直近の米国市場は、政府による金融緩和継続、しっかりの企業決算、マクロ環境の落ち着きなどを背景に過去52週の高値付近で推移している。しかし、今後議論がヒートアップしそうな財政協議や、イタリア2月選挙後の政局混乱などを気にする声も増えており、”株価調整が見られれば買い”、というスタンスを取る投資家も多くなっている。

 このような慎重派による声が高まる中で、今回推奨したい銘柄はADT(ADT)である。同社は日系企業でいうとセコム(9735)であり、米国ではホーム・セキュリティー最大手である。

 同社は昨年9月に従来の親会社タイコ・インターナショナル(TYC)からスピンオフ(分離)を行ったが、ここが最初の注目点である。日本ではなじみが薄いかもしれないが、米国では企業価値を高めるためにさまざまな手段が取られる。スピンオフもその1つであるが、そのモチベーションとしての代表的なものが、多くの分散した事業を行う親会社から優良な部門を切り離し、投資家に認識してもらうことで、投資家が得られるリターンを高めようというこものである。

 スピンオフ企業の株価上昇が見られる理由はそれ以外にも多々あるが、ここでは控えておこう。さて、このADTの事業による魅力の1つは、先日紹介したファステナル(FAST)に似ており、規模の経済が働く事業であるということである。ホーム・セキュリティーというのは、住人に安心感を与える必要があるため、いかにコール・センターを多く保有し、緊急時にすぐに現地に駆けつけてくれる警備員を備えているかが重要となる。この業界はかなり細分化されているものの、同社の売上高規模は2位企業と比較した約6倍である。また、この売上高の90%ほどは月々の支払いから得られており、非常に安定している。

 現在、同社は『パルス』というリモート・システムの販売を強化している。このパルスの加入者は、携帯などを通じて外出中でも自宅のセキュリティ確認などを行う事が可能である。この新たな製品の単価は従来製品よりも高く、この製品による浸透率が高まるにつれ、同社の成長見通し改善に期待できよう。

 セキュリティー・システムに対する消費者負担は月々36-50ドルであり、米国の平均月給が2200ドルほどであることを考慮すると、消費者による毎月の負担も高くない。つまり、会社は価格力を有していると言えよう。昨年末には、米コネチカット州のサンディフック小学校において、銃乱射により児童20人を含む26人が死亡するという事件が起きた。これを受け、〝財政の崖〟協議が大詰めを迎えていたこの時期に、米議会はこの協議より優先し、国内の銃規制を強める法案を可決している。米国のおけるセキュリティの重要性は今後も高まる事が予想される中、ADTによる将来性は高いと言えよう。

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