なぜか上昇「3連休明け」 スッキリ効果が背景に

夕凪所長のイベント投資100% 連載


勇気奮えば相応の見返り

日本における国民の祝日の日数が着実に増えつつある。現段階で年に15日。2016年からは8月11日に「山の日」が加わり、年に16日となる。

アメリカは約10日間である。州・地域や職場によって、どの祝日を休むのか多少バラつきがある。私は西暦2000年前後に転勤によりアメリカに赴任していた時期があった。勤務カレンダーはアメリカの祝日に準じており、それでいて年間の有給日数は日本と同じ。日本の祝日がうらやましく思えたものである。

これだけ祝日が増えてくると、必然的に土日と連なる確率が上がり、その結果3連休となることが多くなる。そもそも「成人の日」「海の日」「敬老の日」「体育の日」は3連休になるように定められている。市場もこれに合わせてお休みとなるので、3日間連続で取引できないケースが増えてくる。

祝日がない通常の土日であれば、世界の市場の多くが同じようにお休みであり、企業活動もほとんど行われないため、その間のリスクに対する警戒感は薄らぐ。しかしながら、祝日を含めた3連休となると、日本以外は動きだしており、その間のリスクに対して警戒感を持たざるを得ない。こういったことが株式相場に影響を与えている可能性がある。そこで、2連休(大抵は通常の土日)を挟んだ場合の株価の値動きと、3連休(大抵は通常の土日と祝日1日)を挟んだ場合の株価の値動きについて、違いがあるのかを調べてみた。

調査期間は04年から14年8月上旬までの約10年間で、対象としたのはTOPIXの終値の推移である。祝日の前日にあたる日をベースとして、その前後で、終値がどのように推移したのかについて平均化してみた。

連休前後のTOPIX推移グラフから、その違いがはっきりと分かる。2連休の場合は休み明け2日間(大抵は、月曜日、火曜日)下がり続け、そこから反転し元に戻ってくる。しかしながら、最も下げている部分でも-0.13%程度。日経平均が1万5,000円水準であれば20円相当なので、無視してもいいといえる範囲である。これが3連休になると、逆に上昇し続ける。休み明け初日で0.37%程度、5営業日後には0.88%程度となり、日経平均が1万5,000円水準であれば130円相当まで達する。3連休明けは、とても上昇しやすい傾向にあるのだ。

一体なぜ、こんな違いが出てくるのであろうか。当初予想した、リスクを避けた分の違いだけであれば、3連休前にポジションを落とす動きが出て株価が下がる傾向になるはずである。しかしそれが見当たらない。理由はほかにありそうだ。

ひとつ心当たりがあるのが「人間の心理状態」である。以前に本コラムにて「ツイッターに投稿された内容から株価が予測できる(原題Twitter mood predicts the stock market.)」の論文を紹介したことがある。「Calm」(日本語に相当するのは「スッキリ」「癒される」「穏やか」など)という単語の出現頻度がその後の株価に影響を与えるというものである。

2連休は通常の土日である。休日によく行われるルーチンワークで終わってしまい、気持ち的に「癒される」とまではなりにくい。一方で3連休となれば、もう1日分のんびりすることができる。これによって「癒される」のだ。わたしも会社員時代、3連休はとても楽しみにしていたものである。こうして3連休で癒された気持ちから精神が安定し、株式を買いに出る意欲へとつながり、株価上昇に結びつくのではなかろうか。もちろんこれは仮説の域を出るものではなく、本当の理由は分からない。

3連休前に買いポジションを取るのは、リスクの観点から勇気が必要である。けれどもその見返りはしっかりあるようだ。3連休前後は買いポジションをベースとした方が良さそうである。

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