第8回 三菱製鋼(5632) 業績は順調、水準訂正へ

平野憲一の相場表街道/裏街道 連載


平野 憲一氏

平野 憲一氏

日本の投資家が朝起きてまずやることはニューヨーク(NY)株の結果を見ることでしょう。そしてその理由も見ます。しかし、最近異常な現象が続いています。NY株の上げ下げの理由がウクライナ情勢だけになっているのです。特に8月5日以降のコメントはすべてウクライナが原因で、ほかの材料が全く見えません。重要な景気指標の発表が無かったわけではないのです。あっても金融相場から業績相場に移る今だけのドツボにはまって、好材料は「引き締め懸念」、悪材料は「緩和継続期待」で相殺され材料にならないのです。ウクライナ情勢は重要ですが、世界経済の構造を大きく変えたオイルショックに比べれば限定的なレベルです。こういう時こそしっかりと割安株を仕込み秋相場に備えるべき時です。

 

三菱製鋼(5632) 週足

三菱製鋼(5632) 週足

三菱製鋼(5632)、自動車や建設機械向け特殊鋼メーカーで、北米中心の自動車生産好調で自動車用特殊鋼の販売が伸びています。また、国内のインフラ整備で建設機械の生産も高い水準を続けていまして、特殊鋼部門の売上高は上方修正が期待できます。2014年3月期連結の売上高は1,116億円(前の期に比べて5%増)ですが、経常利益は59億2,000万円(同59%増)と大きく伸びました。

会社側の15年3月期連結見通しは増収微減益とほぼ横ばいですが、第1四半期は順調で欧州向けターボチャージャー部品や国内建機向けがさらに伸びており、増額修正の方向です。来16年3月期も鉱山機械の回復期待で増収増益のもようです。

株価は5月21日の安値192円から7月7日高値248円まで上げた後、調整局面となっていますが、前記の通り業績順調で予想PER10.95倍、現金同等物260億円を含む1株当たり純資産は351円20銭で、時価230円は安過ぎないか。早晩水準訂正を期待。

著者紹介 平野 憲一(ひらのけんいち)
1970年立花証券入社、2006年執行役を経て、2014年7月独立。現在、ケイ・アセット代表。“株一筋40年”のマーケットアナリストとして鋭い分析に定評がある。メディアへの出演多数。日本証券アナリスト協会検定会員。
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