システムトレード戦略 その8 自分自身のストラテジー構築 発注方法、抽出条件など…
驚くほどの収益好転も
システムトレードにおいて、やはり一番の妙味というか、素晴らしいところは、自分自身で一つだけのルールを構築できるということがあります。
もちろん、過去に記載した「システムトレードの達人」の購入者に配布されているストラテジー、あるいはイザナミ社における有料ストラテジーをそのまま使用するだけでもそれなりの効果があるのですが、自分なりに少しカスタマイズをするだけで、驚くほどパフォーマンスが上がることもあります。時間のある限り、いろいろ試してみることをお薦めいたします。
私自身も、最初のころこそ「どこをカスタマイズしたらいいのか?」とか、「何から手をつけたらいいのか?」と迷うことも多かったのですが、慣れてしまえば、新たに入手したストラテジーの改良はそれほど難しくもなく、数日間もかかるものではありません。
例えば、発注方法一つ取っても、実際に買いシグナルが出た場合に、翌日に成り行き注文で買うのではなく、その日の終値、もしくは終値から数パーセントの下値の指し値買い注文に変更することができます。それだけでも、逆張りによく見られる「天井つかみ」はなくなり、リスクを重視した購入方法になります。当然のことながら、約定回数こそ減りますが、パフォーマンスは向上しますし、最大ドローダウンは減少します。
ちなみに、最大ドローダウンとは、売買ルールを運用した際に起こり得る「最大の損失額」のことを言います。
例えば、最大ドローダウンが「100万円」ですと、直前の資産額から「100万円損失」を抱えた状態になるということです。つまり、ドローダウンがあまりに大きい売買ルールは、場合によっては1回の大きな損失で、資産のほとんどを失ってしまう可能性があります。バックテストをする時には、この最大ドローダウンは大いに意識すべきものであり、本番運用をするかどうかのカギの一つと言っても過言ではありません。
話を戻しますが、一方の売却注文においても、(場中や引け間際に株価をチェックできることが前提ですが)ロスカット時の設定で、購入価格が終値で下回っている場合には、引け成りで売却するような注文をすることができます。これにより、翌日の寄り付きに成り行きで売却するよりは、相場のトレンドに左右されることもありますが、私の使っているストレテジーにおいては、損失が縮小する傾向になっております。
発注方法以外では、簡単なカスタマイズの一例として、銘柄抽出条件の変更が挙げられます。流動性を意識して、5日とか10日の平均売買高の数字を、2億円とか5億円、あるいは8億円などと変更することによって、平均損益や最大ドローダウンが異なってきます。システムトレードを運用する人は、当然のことながら限られた資金で運用する人がほとんどですから、同じ買いシグナルが出た銘柄でも、均等に、なるべくたくさんの銘柄を購入するのか、それとも、平均売買高の昇順で購入するのか、移動平均線の乖離(かいり)率の昇順で購入するのかといったところで、同じく、平均損益や最大ドローダウンは変わってきますから、一番いい数値を選択することになります。
以上のことから、結局のところ、そのようなことを実践していくと、自分自身のたった一つのオリジナルのストラテジーを運用することになり、利益確定時やロスカット時のマーケットインパクトにおいても、かなり軽減されるところもあります。
また経験上、何よりもとにかく、このようにPC(パソコン)に向かってストラテジーをカスタマイズした結果、パフォーマンスが改善されたときの達成感や満足感は大きく、かなりやりがいがあるところです。
なお、ここで書いたカスタマイズ方法のたたき台の一例も、前回に掲載した親睦会やセミナーで聞いたり、資料として入手することができます。やはりストラテジーの構築時間を短縮する近道ということでは、繰り返しになりますが、そのような場の出席も必須だと思っております。
次回は、システムトレードのシリーズ最終回として、私が使っている少しユニークというか、小技的な使い方をいくつか御紹介したいと思います。
掲載日時:2014/08/08 18:10