第5回 アルインコ(5933) 出世株の素地十分

平野憲一の相場表街道/裏街道 連載


平野 憲一氏

平野 憲一氏

本稿第3回の夢真HDの材料として建設現場の人手不足を紹介した。過日、業績の伸びとともに安定的な右肩上がりの株価推移を見せている建機レンタル最大手のカナモト(9678)を取材した際、建設機械も不足気味であることを知った。インフラ整備で増加する工事量に対しては、慢性的人手不足だけでなく、建設機械の不足も顕在化してきている。人手不足と建機不足の結果、工事がたびたび中断して工期が延長されるケースが最近目立ってきているのだ。

アルインコ(5933) 週足

アルインコ(5933) 週足

この工事現場の現実の中でメリットを受け、業績を伸ばしているのが、建設機材(建設機械ではない)の供給とレンタルを本業とするアルインコ(5933・2部)だ。建設機材の中で大きな比率を占めるのが建設足場で、同社を分かりやすく言えば建設工事の足場をレンタル・販売する会社という事になる。工事中断で工期が遅れても組んでしまった足場は解体するまでその間のレンタル料が上乗せされる。丸儲けだ。工事現場が多くなりレンタル件数が増えているだけでなく、このようにレンタル期間も伸びており、圧倒的に有利な時代背景の中で当然業績も着実に伸びて来た。

7月18日に発表された2015年3月期の第1四半期は連結売上高が前年同期比10%増、営業利益同15%増といったところだが、自社のレンタルだけでなく中小の工務店やレンタル業者への建材販売が急増しており、この事業の売り上げは前年同期比29%増、営業利益同36%増と様変わりの数字になっている。通期業績見通しを会社側ではまだ変更していないが当然今後上方修正の可能性も十分考えられる。業績・株価ともに右肩上がりのカナモト的出世株になる力を秘めているように筆者は感じる。予想PER10.59倍、予想配当利回り2・85%(28日時点)と相場はまだ若い。

著者紹介 平野 憲一(ひらのけんいち)
1970年立花証券入社、2006年執行役を経て、2014年7月独立。現在、ケイ・アセット代表。“株一筋40年”のマーケットアナリストとして鋭い分析に定評がある。メディアへの出演多数。日本証券アナリスト協会検定会員。
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