取材の現場から 「スーパー扇子」や「しゃべる自販機」 東京五輪にらみアイデア続々

取材の現場から 連載


デジタル・ニッポン2014提唱

東京オリンピックが開催されている6年後の日本の夏。各地では「スーパー扇子」を手にした外国人があちこちを観光しているらしい。

スーパー扇子とは何か。これは、ICチップを内蔵した扇子型デバイスのこと。来日した外国人旅行者に配り、統一IDとする。この扇子が五輪観戦のチケット代わりになり、電子マネーとして交通機関や買い物の支払いにも使えるようにする。公衆無線LAN用のIDにも使え、災害時の本人確認にも活用する。何より、酷暑の夏にうんざりしている外国人にとってこの扇子は、手放せないものとなっているだろう――。

この“スーパー扇子構想”は、7月2月に自民党のIT戦略特命委員会が取りまとめた「デジタル・ニッポン2014」で提唱されたもの。自民党は昨年も「デジタル・ニッポン」を公表しているが、今回は東京五輪開催を念頭に置いた新提言をまとめている。その中には、外国人旅行者を念頭に置いたものがいくつもある。

その一つに、「街角インフォメーション」というものがある。外国人旅行者が道に迷ったとき、街中いたるところにある自動販売機に母国語で話しかけると、丁寧にその国の言葉で案内をしてくれるのだという。自販機に自動応答の人工知能や自動通訳機能を持たせるというわけだ。扇子同様、自販機も日本の文化だ。

サンデン(6444) 週足

サンデン(6444) 週足

これが本格導入されれば、自販機ビジネスは大幅に広がるだろう。高機能自販機が登場するわけで、自販機軸のイノベーションが進む可能性がある。自販機メーカーといえば、富士電機(6504)パナソニック(6752)サンデン(6444)グローリー(6457)芝浦メカトロニクス(6590)子会社の芝浦自販機、クボタ(6326)NECネッツエスアイ(1973)子会社のネッツエスアイ東洋が上げられる。

自動応答システムは、音声認識のフュートレック(2468・東マ)の技術が活用できそう。また、自動翻訳システム開発では、翻訳センター(2483・JQ)が活躍するかもしれない。街角インフォメーションは、英語だけでなく欧州各国やアジアなどの多様な母国語に対応させるという。翻訳センターは約70言語が対応可能だという。

自民党の「デジタル・ニッポン」にはこのほか、「富士山頂光ファイバー網」や「顔認証による迷子探し」「ウェアラブル健康診断」「ロボットによるテロ対策」など、大胆かつ具体性のある提言を行っている。ただ問題は、この提言書がほとんど注目されていないことなのだが…。

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