「勝ち組」「負け組」隔てるものは!? 評価損益率で相場状況チェック

夕凪所長のイベント投資100% 連載


投資戦略にメリハリを

株式投資がうまい人と、そうでない人、その差は一体どこにあるのだろうか。諸説いろいろとあると思うが、月刊のマネー誌であるダイヤモンド・ザイ2014年7月号に興味深いデータが掲載されていた。それは投資家1万人を対象にしたアンケート調査結果で、相場での勝ち組と、負け組、それぞれの傾向についてまとめていたものである。

調査項目の中の1つに「銘柄選びのポイント」があった。勝ち組と負け組の間で最も値に差が出たのが「相場全体の動き」を考慮するかどうかであった。勝ち組の55%が考慮していると回答している一方で、負け組は0%と誰一人として考慮していないことを示していた。このことから「相場全体の動き」が株式投資の成績を左右する最重要項目と言えるのではなかろうか。

しかしここで大きな問題が出てくる。「相場全体の動き」が重要なことは分かったけれど、それを把握するには一体どうすればいいのだろうか。ここでざっくりと言えば「相場全体の動き」を決めているのは投資家全員の総意である。個人投資家が多く存在する新興市場、東証2部、東証1部の小型株であれば、多くの人が買いたい気持ちになれば株価は上昇するし、売りたい気持ちになれば株価が下がる。個人投資家の気持ちが相場を左右することになる。機関投資家が多く存在する東証1部の大型、中型株であれば、機関投資家が資金を投じる環境にあれば株価は上昇するし、資金を引き揚げる環境にあれば株価は下がる。機関投資家の都合が相場を左右することになる。

では一体、個人投資家が買いたい気持ちになるのはどんな時であろうか。私が注目しているのは買い方の「信用評価損益率」である。信用評価損益率はその名の通り、投資家全体の信用の含み損益がどれくらいなのかを表す数値である。この数値はおおよそ-2.5%から-20%の間を行ったり来たりしている。この値が高ければ高いほど、個人投資家が潤っていることを示している。資金に余裕があれば気持ちが大胆になり、もっともっと儲けようと買いたい気持ちが強くなるだろうと推測できる。

松井証券のメルマガによれば7月23日終了段階で買い方の信用評価損益率は-4.927%である。これはかなり高い数値である。ここ数日、年初来高値を更新する銘柄が毎日100を超えるような状況にあり、新興市場では1日の上昇率が10%を超えるような銘柄が頻発している。「相場全体の動き」がとてもいいのである。こんな時は買いにポジションを大きく傾けた方が成績が良くなる。高値を付けた銘柄は、さらに高値を付けやすいし、急落した銘柄にも買い支えが入りやすい。

その一方でこの値が-20%近くになってくると「相場全体の動き」が悪くなる。高値を付けてもその後になかなか伸びず、急落した銘柄も、そのまま下げ続けることが多くなる。買いのポジションは控えた方がいい。そのことに気が付かず「相場全体の動き」がとてもいいころと同じ投資手法を続けていると、どんどん資金を失うことになる。負け組一直線である。

こんな時は儲けるチャンス自体が少なくなるので、私は旅行に出かけて休養することにしている。一方で信用評価損益率が高い今のような状況では、なかなか旅行に出掛けづらい。チャンスが毎日目の前に現れるので、これを逃したくないのだ。ザラバ中は相場をずっと見張っていることになるし、調べものも多くなる。このためか相場が終わると体がグッタリする。うれしい悲鳴というべきなのであろうが、正直体には良くない。専業個人投資家の多くが取引時間延長に反対しているのも「これ以上延長されると体が持たない」と思っているためであろう。私も延長してほしくないクチである。

相場全体の動きを皮膚感覚で感じ取り、臨機応変に投資手法を変えたり、資金に強弱をつけたりすることができるベテラン投資家は、「信用評価損益率」を今さらチェックする必要はないだろう。しかし、そういったことが苦手な投資家は、「信用評価損益率」で相場の全体の動きを把握し投資戦略を調整した方がいいであろう。私は専業投資家になって日が浅いこともあり、「信用評価損益率」の方をしっかり確認しながらイベント投資戦略を調整している。

夕凪所長とは…
証券界会社のプロも参考にしているサイト「ダントツ投資研究所」を主催。現在はフルタイムの個人投資家。株主優待投資を中心に読者の投資力向上を目指したメルマガ「夕凪所長の株主優待最新ニュース」も発行している。
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