取材の現場から 体質疑われるホンダのリコール

取材の現場から 連載


ホンダ(7267)は7月10日、フィットのリコールを届け出た。理由は変速機(DTC)のプログラムの不具合で、昨年10月から何と4度目のリコール。発売からずっと問題を解消できず、自動車業界関係者は皆、「ホンダはこれで相当厳しくなる」と語っている。

ホンダ(7267) 週足

ホンダ(7267) 週足

同じリコールを繰り返すのは、ホンダは初めてではない。かつてエアバッグのリコールを2008年から11年まで6回にわたって出したことがある。「不具合の原因究明ができずにリコールを繰り返したという点で、今回の件と同様だ。ホンダの品質管理能力、そして体質が疑われる」(自動車担当記者)と指摘されている。

このフィットでホンダは、HVシステムの開発を独シェフラーと共同で行った。もともとホンダは、「自前主義」という文化の強い会社だったが、新たなHVシステムを導入するにあたり、他社の技術を頼った。今回、原因究明が滞っているのは、「慣れない他社との共同開発が原因ではないか」ともささやかれる。

このリコールは幸いにも、部品交換ではなくプログラム書き換えで済むので、リコール費用はさほど掛からない。が、「フィットの不具合を改善できていないため、国交省はホンダの新型車の型式指定を先延ばしする姿勢を示している。新車を出すより、不具合の原因究明が先だということ。ホンダの新車販売計画が崩れ、収益にも影響が出る」(前出・記者)という。

ホンダは収益率の低さが問われている。直近の営業利益率は6.3%で、富士重(7270)の13.6%は別格として、トヨタ(7203)の8.9%や、マツダ(7261)の7.2%を下回っている。ホンダは今、軽自動車のNシリーズで台数を稼いでおり、それが利益率の低さにつながっているとも言われるが、ほかの軽メーカーを見ても、ダイハツ(7262) 7.7%、スズキ(7269) 6.4%でホンダより高い。ちなみにホンダの四輪車事業だけの利益率は4.4%だ。利益率向上のためにホンダは、軽以外の新型車を売る必要があるのだが、このリコールで、その計画すら狂いつつある。「厳しい」と言われるのも当然だ。

ただ、「ホンダにはまだ“伸びしろ”がある」とも言われる。ホンダでは、ディーラーの在庫車をホンダの在庫として処理していたが、出荷時点で販売会社の在庫にするよう契約を改めるという。収益改善策の一環だが、ホンダにはまだまだこうした無駄が多くあると言われる。無駄が多いということは、改善の幅が大きいわけで、皮肉ながら、その点は期待できる――。

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