【深層】を読む 低ボラ相場を乗り切る インデックスイベント特化も

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8、9月に4指数見直し

最近の日本株は、上値も下値も限定的な展開が続いている。過熱感を感じることがない半面、売られ過ぎ感も乏しい。市場のボラティリティー(変動率)は低水準で、しかも緩やかに下落し続けており、結果として、投資家はマーケットに参加するタイミングを失っている感がある。低ボラティティーの原因については、いろいろな説があるだろうが、現時点で、その理由を追い求めるのは、あまり賢いとは思えない。ここは、何か利益を産む可能性のある手段を見いだすのが一つの方法と考えている。

夏は指数関連の重要イベントが相次いでやってくる季節だ。とりわけ、年金資金が注目するJPX日経400指数の定期銘柄見直しは、大いに注目に値すると考えている。これまでは、長らく、TOPIXが年金資金のベンチマーク(運用の優劣を計るものさし)として採用されてきた。単に東証1部上場銘柄というだけで無条件に指数に採用され、時価総額基準のみで採用比率が判断されるTOPIXには、何かと弊害もあった。東証1部銘柄でも、業績面などから年金資金が保有するに値しない銘柄はたくさんあったが、保有せざるを得ず、一方で、東証2部、マザーズやJASDAQなどの新興市場に属する銘柄は、ほとんど保有できず、成長力を享受できないという欠点があった。

そこで、東京証券取引所(第1部、第2部、マザーズ、JASDAQ)を主たる市場とする銘柄から、時価総額を基に市場流動性の高い1,000銘柄を基準として、「3年平均ROE(自己資本利益率)、3年累積営業利益、時価総額の3つの指標」を判断材料として選出した400銘柄で構成される指数が新たに開発された。これを、世界最大の機関投資家と言われるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がベンチマークに採用する意向を示したことで、年金運用の世界にJPX日経400指数が広がるきっかけとなった。

JPX日経400指数は2014年1月6日から算出が開始されたばかりだが、その採用銘柄の定期見直し(年1回)が8月末に実施される。市場筋の間では、その入替予想銘柄を扱ったレポートがいくつか出てきているが、業績面を重点的に考慮するメジャーな指数は初めてなだけに、その内容はそれなりの驚きを含んでいる。8月7日の大引け後に銘柄入替の内容が正式発表される予定だが、それまでに、思惑も絡んで動きがあるかもしれない。また、正式発表された後も、実際に銘柄入替が実施されるのは8月28日大引けなので、それまでにも個別銘柄ベースでは動きが出てくると予想される。

9月には、日経平均の定期銘柄入替も控えている。指数としては何かと欠陥だらけの日経平均だが、認知度や人気では、ほかの指数を圧倒するものがある。それだけに、毎年のことながら、日経平均の銘柄入替はイベントとしては大きく盛り上がる。現時点では、東京エレクトロン(8035)は9月18日に東証1部から上場廃止となる予定。これにより、東京エレクトロンは日経平均の採用基準から外れるので、少なくとも1銘柄は代替銘柄が必要になる。既に銘柄入替予想レポートは数社から出ているが、過去の経験からは、これも当たり外れがかなりあるので、正式発表前に思惑を仕掛けるのであれば、それなりの覚悟が必要だ。ただ、当たった場合には、それなりの果実があることも多い。

ほかにもMSCIの四半期定期銘柄入替が8月にあり、FTSEも定期銘柄入替を9月に予定している。いずれも外国人投資家が重要視する指数なので、それなりの注目に値する。指数イベント投資という手法を、この夏場に試してみるのはいかがだろうか?

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