第2回 イントランス(3237) 収益は拡大、今期復配へ

平野憲一の相場表街道/裏街道 連載


平野 憲一氏

平野 憲一氏

「デフレ脱却」は不動産価格の「下落脱却」でもあります。多くの不動産会社は地価下落局面ではその存在さえ危うくなります。特に中古不動産を仕入れ、付加価値を付けて転売するリノベーション事業を主体とする不動産会社はさらに限界的な位置に存在します。当初多くの経済人が、期待はするが実現性に疑問を持っていたアベノミクスを本格的に見直し始め、最近では海外からの評価も様変わりになってきました。デフレ脱却のめどもほぼ見え、同時に不動産価格も下げ止まりから、首都圏では上昇に転じた気配です。この流れの中で中小不動産会社の業績も明らかに上向いてきました。

イントランス(3237・東マ)に期待します。当社は不動産をバリューアップして転売するリノベーション事業の中でも、自己資本によってリスクもリターンも100%自社で負うプリンシパルインベストメント事業を首都圏中心に展開しています。

イントランス(3234) 週足

イントランス(3234) 週足

首都圏ではバリューアップの力が収益の明暗を極端に分けます。当社はこのバリューアップの才能が極めて高いと感じました。例を挙げると、芝公園で2011年に中古ビルを10億円で買い、東京タワーを下から見上げる立地に着目し結婚式場にコンバージョン、入札でブライダル業者と長期契約を結んで14年にREIT(不動産投資信託)へ35億円で売却のプロジェクトは鮮やかの一言。また、田園調布で、基礎工事中に倒産したマンションを買い取り、田園調布は「家」でしょうとばかりに一戸建て住宅にリノベーションしたセンスはまさに見事。

17年3月期を最終年とする中期経営計画の、売上高110億円(14年実績比3.7倍)、営業利益20億円(同4.3倍)は最低ラインの感じを受けた。「リスクは社長の交通事故」の言葉も嫌味には聞こえなかった。今期復配の予定。

著者紹介 平野 憲一(ひらのけんいち)
1970年立花証券入社、2006年執行役を経て、2014年7月独立。現在、ケイ・アセット代表。“株一筋40年”のマーケットアナリストとして鋭い分析に定評がある。メディアへの出演多数。日本証券アナリスト協会検定会員。
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