取材の現場から 林横浜市長が公務復帰 新庁舎は横浜都心開発の起爆剤

取材の現場から 連載


三菱地所、JR東日本も参画

三菱地所(8802) 週足

三菱地所(8802) 週足

昨年「待機児童ゼロ」を達成して話題となった横浜市の林文子市長が6月16日、約2カ月ぶりに公務に復帰した。当初、狭心症による入院だと説明されていたが、林市長は「検査の結果、狭心症ではなく、疲労の蓄積などによる高血圧と不整脈だった」と説明した。

林市長というと、外車ディーラーの社長として頭角を現し、その後、ダイエー(8263)会長や日産自動車(7201)の役員を経て、横浜市長に転じたキャリアウーマンの象徴のような女性だ。

「中田宏市長の任期途中の投げ出し辞任を受けて突如、擁立された候補だった。中田氏が引っ張ってきたと言われたが、その背景にはファンケル(4921)の存在もあったとされる。ファンケルには当時の社長を含めダイエーOBが複数いて、ダイエーとのパイプがあった。また、創業者の池森賢二氏(現会長)は中田氏の有力支援者。そんな関係で当初、ファンケルが林市長の陰の後ろ盾だった」(地元事情通)

JR東日本(9020) 週足

JR東日本(9020) 週足

その林市長が力を注いでいるのが、新庁舎の建設だ。東京五輪開催前の2019年末までに完成させ、移転する計画を示している。ただ、震災復興や五輪で建設資材や人件費が高騰しており、このタイミングでの新庁舎建設には批判の声も強い。それでもあえて、新庁舎建設を進める意志を示している。

その意図は何か。横浜市は12年に、横浜都心・臨海地域の緊急整備計画を策定。大規模都市開発だが、新庁舎をその起爆剤にしたい考えのようだ。この事業には、三菱地所(8802)や森ビル、JR東日本(9020)東急電鉄(9005)などが参画。既に森ビルと丸紅(8002)が、新庁舎予定地の隣となる、北中通北地区での再開発を進めている。

「森ビルを横浜に誘致したのが中田前市長。林市長もその路線を継承し、再開発を推進している。しかし、地所はともかく、森ビルという“ヨソ者”を誘致したことに地元・横浜の有力者が腹を立てている。今回、林市長が入院したのは、地元有力者との関係悪化によるストレスだともっぱら言われているほど」(前出・事情通)。

その林市長の後ろ盾は、今ではファンケルではなく、菅義偉官房長官だとされる。林市長は民主党推薦で市長に当選したが、その後、議会対策上、自民党との関係改善を図り、地元有力代議士の菅氏との関係を強めたという。「入院中も、菅官房長官の携帯に直接電話していた」との情報も伝えられるほど。横浜再開発を、アベノミクスの一助にしたいのだろうか?

戻る