株主優待戦略 その4 カラ売りの優待狙いに〝落とし穴〟 逆日歩生じて採算割れも 日証金サイトでチェック

JACK流「勝利の方程式」 連載


今回は、株主優待のカラ売りを使った手法における“落とし穴”について掲載したします。

それは一言で言えば「逆日歩」になります。

ご存じの方がほとんどだと思いますが、この逆日歩というものは、結論から言えば、制度信用取引のみに発生するもので、信用取引の売りの数が増え過ぎて、株が不足した場合に発生する費用になります。そもそも信用取引の売りについては、株券を借りて貸株料という金利を払って取引をしていますので、その金利とは別に株不足という状況になった場合の手数料ということになります。

具体的には、制度信用においては、株が不足した場合には早々、銀行や保険会社、あるいは大株主から、株券を貸し出すために借り入れてきます。もちろん、無料では貸してくれませんので、そのコストが、そのまま逆日歩という形で跳ね返ってくるものです。

そして、さらに厄介なことに、この逆日歩は、1株単位で1日ごとに発生し、それ以前から信用取引の売りをしていた方も含めて掛かり、高額な金額になることもあり、無視できない存在でもあります。

では、実際に私が経験した銘柄を参考に検証したいと思います。

該当銘柄は伊藤園(2593)とします。
株価1102円で100株の購入で優待品として1500円相当の飲料詰め合わせの獲得を狙ったものです。
◎現物買い手数料=219円
◎信用売り手数料=217円
◎貸株料=41円
◎逆日歩=12円×4日×100株=4800円
◎消費税=24円
合計5301円になります。

2013年の優待権利日と逆日歩日数
権利日 権利付き
最終売買日
逆日歩日数
1月20日 1月15日 3日
1月末 1月28日 1日
2月20日 2月15日 1日
2月末 2月25日 1日
3月15日 3月12日 3日
3月20日 3月14日 2日
3月末 3月26日 3日
4月末 4月24日 1日
5月15日 5月10日 1日
5月20日 5月15日 1日
5月末 5月28日 3日
6月20日 6月17日 1日
6月末 6月25日 3日
7月20日 7月16日 3日
7月末 7月26日 1日
8月20日 8月15日 1日
8月末 8月27日 3日
9月末 9月25日 1日
10月末 10月28日 1日
11月20日 11月15日 1日
11月末 11月26日 3日
12月20日 12月17日 4日
12月末 12月25日 7日

このように1500円の優待を獲得するにあたり、逆日歩が4800円掛かり、合計5301円になりました。トータル3801円のマイナスとなり、この優待の獲得は結果的に損失を出して失敗という形になりました。

ですから、この手法については、優待権利日の翌日の株価が上昇しようが、下落しようが、リスクは皆無になりますが、この逆日歩だけは避けようがありません。

また、やっかいなことは、この逆日歩がどれくらい付くのかという予想が難解だということです。多少は過去の権利日を検証することで予想がつくのですが、ここ最近の動向といたしましては、今まで逆日歩が掛からなかった銘柄において、はじめて付くものもあり、油断できない展開となっています。

とは言っても、権利日と曜日の関係にもよるのですが、逆日歩がつく日数(図参照)と逆日歩の最大金額を計上することは可能です。銘柄こそ少なくなりますが、優待換算額と比較してプラスになる銘柄もあります。絶対にリスクを取りたくない、あるいは損をしたくないという方に関しては、狙っている銘柄が、カラ売り禁止のリリースさえなければ、有効な手法だと思っております。

いずれにしましても、制度信用取引で株主優待を獲得するにあたっては、常に逆日歩の動向に注意することが必要になります。日証金のHP(http://www.jsf.co.jp/)などでの日々のチェックは必須になると思います。

なお、今回はこのカラ売りに関しては、信用取引のうち「制度信用」という手法を使っての優待獲得方法でありましたが、実は、もう一つ手法があります。

しかも、その手法においては、逆日歩を全く意識しなくていい優れものの手法になります。そのあたりは、また新年に入りましたらご紹介したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

逆日歩のポイント
・1株単位で1日ごとに発生する
・逆日歩の計算は実日数で計算する(土・日・祝日も1日で計算)
・株不足(カラ売りが増える)になればなるほど逆日歩は高くなる
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