株価は夜間に作られる?! 時価総額日米トップが“実証”

夕凪所長のイベント投資100% 連載


2004年から傾向鮮明に

前回の本コラムにて、TOPIXについて寄り付きで買って大引けで売る「日中」売買はマイナスが続いていて、大引けで買って翌営業日の寄り付きで売る「夜間」売買はプラスが続いているということを紹介した。今回は、この点についてもう少し掘り下げてみたい。

トヨタTOPIXばかりではなく、日本の個別株も同様に「日中」売買はマイナスで「夜間」売買はプラスなのであろうか。日本を代表する株式として、時価総額第1位に輝くトヨタ(7203)について調べてみた。配当による権利落ち分は無視している。グラフからお分かりの通り、その通りの結果になった。

もし「日中」売買は空売りとし「夜間は」買いとした場合の1回当たりの利益率はそれぞれ0.06%と0.10%である。平均して0.08%。100万円当たり800円相当の利益である。TOPIXの場合は平均して0.04%であったので、利益率は向上している。

これを実際の投資戦略としてやれなくはないが、利益が出ない停滞期が長く続くところがあり、恐らく途中で、毎日の売買が嫌になってやめてしまうであろう。それよりも、日中で下げやすい日、夜間で上げやすい日などをほかの条件と組み合わせて特定し、その場合に限って投資するなど、もう一段の工夫をしたほうがいいだろう。

ここで、せっかくなので日本ばかりではなく、世界時価総額第1位に輝くアップル株はどうなのかについても調べてみた。

アップル株価が全くパッとしなかった2004年ごろまでは、あまり傾向がはっきりしなかったが、それ以降は

圧倒的に「夜間」売買が有利である。株価は夜間に作られていると言っていいほどである。一体なぜ、このようなことが起こるのであろうか。ここから先は全くの想像となるが、アップル株が04年を境に変わっていることから、こんな見方はどうだろうか。

トヨタも含め世界で注目されるような株式はファンドが大量の買い付けを行うため、「値上がりする前にできるだけ早く手に入れたい」という事情から朝早く買われ、売られるときには「できるだけ株価にインパクトを与えず高く売りたい」という事情から日中じっくりと売られる。

本当のところは、どんな事情があってのことか分からないけれど、実際に投資する場合は「日中と夜間の株価推移はまるで別物である」という認識をしておくことで良いのではなかろうか。

ちなみに、アメリカを代表する指数「SPDR S&P 500」についても調べてみたが、残念ながら近年については、日中と夜間であまりはっきりとした差異が見られなかった。

最後に、私事となるが自著『スタバ株は1月に買え!―10万円で始めるイベント投資入門』が東洋経済新報社から出版された。前回の本コラムで取り上げたTOPIXの日中と夜間の違いなど日本市場における独特のクセや、非常識とも思えるような株式投資に対する考え方などを記している。これから個人投資家として資産的にも時間的にも自由に暮らしたいと考えている方は、ぜひ書店で手に取ってご覧いただければ幸いである。

夕凪所長とは…
証券界会社のプロも参考にしているサイト「ダントツ投資研究所」を主催。現在はフルタイムの個人投資家。株主優待投資を中心に読者の投資力向上を目指したメルマガ「夕凪所長の株主優待最新ニュース」も発行している。
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