先物も「昼と夜は別の顔」 買いは大引け/売りは寄り付き

夕凪所長のイベント投資100% 連載


デイトレは売りから入れ?!

昨年の今ごろのアベノミクス相場を覚えておられるだろうか。株価、特に日経平均先物の上昇の仕方に少し特徴があった。先物の夜間取引において取引開始後すぐに日中の終値を更新し、高値をキープし続けて終了する。しかしその一方で翌日の日中は、その値段からあまり上がらず、そのまま終了する。そう、夜間は上昇しやすい一方で、日中は上昇しにくいパターンが多かった。

当時は株式を持ち続けてさえいれば順調に株価が上昇していく相場であった。このため夜間と日中の上昇の違いをあまり気にすることはなかったであろう。しかしながら、この違いを利用することができれば、もっと利益を得られた可能性がある。そこで、まずは夜間の上昇と日中の上昇の違いがどれだけあるのか調べてみることにした。日本相場全体の様子が分かるTOPIXについて、寄り付きで買って大引けで売る「日中」売買と、大引けで買って寄り付きで売る「夜間」売買を毎日繰り返した場合の累積成績である。3月などに大きく発生する配当落ち分は考慮していない。

「日中」「夜間」売買、累積成績

グラフを見ると、日中と夜間と、まるで逆の性質を持っていることが良く分かる。夜間に株価が上がり、日中は逆に株価が下がる。配当落ち分は夜間の上昇を押し下げる効果があるが、それでも夜間の方の成績がいいのである。しかも、その状況が近年ずっと変わらず続いている。

一体なぜ、このような現象が発生するのであろうか。考えられる1つ目が海外投資家の存在である。彼らは、ここ数年ずっと日本株を買い越しし続けている。そして彼らが起きている時間帯は日本時間の夜である。この夜間に、翌日どの株を買うのか研究し、寄り付きで買って終わり。このような取引をしているのではなかろうか。

そして考えられる2つ目が個人投資家の売買の特徴である。個人投資家は買いから入る場合が圧倒的であろう。寄り付きで買うことが多く、日中にうまく上昇しなかった株は大引け間際に売ってしまう。そうすると寄り付きはギャップアップで始まって徐々に下がってしまう現象が起きる。この2つの効果により、夜間は上昇、日中は下落という現象が発生しているのではなかろうか。

掲載しているグラフの結果から、この投資法を実際に実行したいと思われるかもしれないが、それはちょっと待った方が良いだろう。1回当たりの利益率は夜間も日中も0・04%である。100万円で400円分。手数料を考慮すると、ここから利益が削られてしまう。さらに問題なのが、この利益を得るためには、日中や夜間の株価の動きに耐えなければならないことである。期待される利益に対するリスクが大き過ぎるのである。

ではこれは絵に描いた餅(もち)なのかと言われると、そうでもない。日々の取引において、買いは大引け、売りは寄り付きを中心とすれば、毎回、わずかながらも有利な立場になる。追い風を受けながらの投資ができるのである。このような取引を100回、1000回と繰り返していけば、ちりも積もればなんとやらである。

このような結果から、もしデイトレーダーを目指すのであれば、売りから入る場合の技術を磨いておいた方がいいであろう。実際、デイトレーダーの方は売りがうまい人が多いように思える。一方でサラリーマンや主婦など、日中トレードできない環境なのであれば、寄り付きの成り行きで買いを入れるよりも、指値や引けで買いを入れることを考慮した方がいいであろう。日中は売りで、夜間は買い。昼と夜は別な顔。そのことを頭の片隅に入れておきたいものである。

夕凪所長とは…
証券界会社のプロも参考にしているサイト「ダントツ投資研究所」を主催。現在はフルタイムの個人投資家。株主優待投資を中心に読者の投資力向上を目指したメルマガ「夕凪所長の株主優待最新ニュース」も発行している。
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