本間宗究 相場の醍醐味 「賃上げ」と「利上げ」

本間裕 相場の醍醐味 連載


現在、日本では、「賃上げブーム」となっているようである。そして、多くの人は、「アベノミクスの恩恵を受けて、企業業績が好転し、賃上げができる状況となった」と考えているようだが、実際には、「マスコミ」の報道のとおりに、「一部の大企業が、賃上げを実施している状況」にすぎず、多くの「中小零細企業」にとっては、「別世界の話」とも思われるのである。また、「賃上げ」により、「どれだけの資金が、より多く市場に出回るのか?」を考えると、実際には、「それほど効果が無いのではないか?」とも考えられるようだが、この理由としては、「消費税率の上昇」により、「多くの資金が、国家に吸い上げられる状況」が想定されるからである。

そのために、「景気の好転」や「流通資金の増加」の観点からは、「賃上げ」よりも「利上げ」の方が、「より大きな効果がある」とも言えるようだが、実際には、「約800兆円の預金」に対して「3%の利息」を付けるだけで、「金利分が約24兆円になる」という計算ができるからである。別の言葉では、「2%のインフレ率」のときに「ゼロ金利の預金」を保有していると、「預金の実質的な目減り」が「2%」という計算になるために、本来は、「2-3%の短期金利」や「4―5%の長期金利」が、正常な状態とも考えられるのである。

しかし、実際には、依然として、「日米のゼロ金利政策」が継続するとともに、「国債の買い支えによる、異常な超低金利状態」も維持されているのだが、この理由としては、「約1,000兆円」も存在する「日本の国家債務」に関して、「3%の金利」を支払うと、単純計算で、「約30兆円」も「利払い費用」が増加するからである。つまり、「約100兆円もの国家歳出」に対して、「約50兆円の税収」という状況下では、「政府」や「金融当局者」は「利上げができない状態」だと考えているようだが、今後の問題点は、「市場の反乱」であり、また、「誰が、国債を買うのか?」ということである。

具体的には、今後、「日銀」や「FRB(米連邦準備制度理事会)」などが、「国債の買い付け」を減額したときに、「どのようなことが起きるのか?」ということだが、現在では、徐々に、この方向へと向かっているのである。そのために、現在では、「賃上げ」を宣伝することにより、「時間稼ぎ」を狙っている可能性もあるようだが、これから起きることは、「2%のインフレターゲット」のときに「ゼロ金利」という状況下で、「実質的な価値」が目減りし続けている「預金」を、「日本人が、どこまで保有し続けることができるのか?」ということである。そして、この点に関して、「6月から9月ごろ」に、大きな事件が起きるものと考えている。

3月25日に決算発表が行われたアークランドサカモト(9842)は、極めて割り安であり、今後、人気化することも考えられるようである。

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