月末・四半期末“ドレッシング”

夕凪所長のイベント投資100% 連載


狙うなら、マザーズ市場!! 10年間の実績が裏打ち

毎月の最終営業日だけ限りの株式投資家が注目している現象がある。それはウインドウドレッシングの買い、通称「ドレッシング買い」と呼ばれる月末特有の株価上昇である。

この発生理由としてよく言われているのが「ファンドなどの運用機関が自分たちの投資成績を良く見せかけるため」である。運用機関は月末や四半期末ごとに成績で評価が決まる。このため評価が決まる最終日に成績に良く見せようと株式を買い上げる行為を行うとのこと。

実際、先月末の2014年2月28日の日経平均株価は、午後2時45分ごろから大引けにかけて一気に100円近く急上昇した。多くの投資家は「ドレッシング買い」がやってきたと考えたことであろう。しかしながら毎月末に発生しているわけではなく、前月の1月31日はドレッシング買いと思えるような上昇が見当たらなかった。そう考えると本当にドレッシング買いというものは存在するのであろうか。早速調べてみることにした。

調査期間は04年3月―14年2月までの10年間とし、毎日の値動きと比較して月末や四半期(3、6、9、12月)末だけの値動きについて日足ベースで差があるのかを調べてみた。具体的には前日比(前日の終値と当日の終値の比較)と当日比(当日の始値と当日の終値の比較)について毎日、月末、四半期末の平均を計算し、それぞれを比較して月末特有の上昇があるかどうかについて確認してみた。

対象としたのは伝統市場である「日経平均株価、TOPIX」、新興市場である「JASDAQ指数、マザーズ指数」、その間にあたる中間市場として「東証2部指数、東証REIT指数」以上の6指数である。

ずばり結論から言えば、伝統市場においてはドレッシング買いらしきものは見当たらない。一方で中間市場、新興市場においてはドレッシング買いらしいものが存在している。

表をご覧いただきたい。伝統市場については10年間の毎日の値動きの平均と月末における値動きの平均との間に差がないことが分かる。四半期末の平均はドレッシング買いとは逆方向で、ほかよりも悪くなっている。これは四半期末におけるドレッシング買いを期待して前日や当日の始値で株式を購入した投資家が、実際にはそういった現象が起きずに投げ売りすることにより発生しているのではなかろうか。

一方で中間市場については、月末と四半期末とどちらも同じくらいドレッシング買いが発生している。東証2部については0・3%程、東証REIT指数については0・5%程、毎日の平均よりも良い値である。

新興市場についても、月末にドレッシング買いが発生しており、四半期末にはそれよりもさらに強いドレッシング買いが発生している。特にマザーズ市場については、かなり飛び抜けたいい数値である。

一体なぜ伝統市場にはドレッシング買いが発生せず、中間市場や新興市場にのみ発生するのであろうか。考えられるのは「伝統市場は出来高が多いため株価を動かすためには莫大(ばくだい)な資金が必要であるけれども、中間市場や新興市場は出来高が少なく、はるかに少ない資金で株価を動かせる」ということである。

ファンドが成績を良く見せようとして本当に月末に買い上げているのかどうかは正直よく分からない。ただデータから言えるのはドレッシング買いを狙うのであれば、伝統市場ではなく、中間市場や新興市場の方が良さそうということである。

毎日 月末のみ 四半期末のみ
前日比 当日比 前日比 当日比 前日比 当日比
伝統市場 日経平均 0.02% -0.02% -0.01% -0.04% -0.07% -0.20%
TOPIX 0.01% -0.04% 0.05% -0.01% -0.03% -0.17%
中間 東証2部 0.02% -0.01% 0.29% 0.23% 0.36% 0.30%
東証REIT 0.02% 0.06% 0.65% 0.61% 0.56% 0.54%
新興市場 JASDAQ 0.02% -0.01% 0.35% 0.25% 0.58% 0.46%
マザーズ 0.01% -0.06% 0.52% 0.43% 1.08% 0.93%
夕凪所長とは…
証券界会社のプロも参考にしているサイト「ダントツ投資研究所」を主催。現在はフルタイムの個人投資家。株主優待投資を中心に読者の投資力向上を目指したメルマガ「夕凪所長の株主優待最新ニュース」も発行している。
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