ニューズ・コープ(NWSA) FOXニュース所有の高い交渉力が魅力

今注目の米国株! 連載


バリュー・プラクティス氏の米国現地報告 今注目の米国株!

 証券会社の一部では、米国個別株式の取引を積極的に扱う会社も登場してきた。しかし、「具体的に何を買えばいいの?」という声は投資家の間に多い。米国株取引を直接行わなくても、米国市場の動向は日本のマーケットの物色人気にも大きく影響する。米国市場の最新の状況と話題、そして注目銘柄を現地から原則毎週伝えてもらう。今回はその第1回。

 年末に決着が着くと思われていた〝財政の崖〟の問題。結局、財政支出カット/歳入見通しなどの詳細に関しては数カ月の延長、落ち着いたのはGDPに最も影響を与えると懸念されていた〝税の崖〟のみであり、依然として〝財政支出の崖〟からの転落リスクは残されている。

 こうした中、個別銘柄ではニューズ・コープ(NWSA)を推奨したい。同社は、財政の崖、欧州債務危機問題、中国成長減速など、マクロ環境に依存しない収益源が業績をけん引している。メディア大手である同社の収益源は従来、新聞、TVチャンネルなどを通じて得られる広告収入であった。しかし、近年、メディア企業はケーブル/サテライト各社からチャンネル放映権に対する手数料の受け取りが可能となった。特に、同社は収益の7割程をこの手数料収入から稼いでおり、業績/株価へのインパクトは大きい。

 会社CEOのルパート・マードック氏は、数年前のダウジョーンズ買収、最近では有名人の携帯を盗聴した欧州タブロイド紙を保有するなど、その経営手腕を疑問視する声も多い。しかし、同氏はFOXチャンネルを数年で米4大ネットワークの一つにまで作り上げた実力者でもある。

 今やFOXニュースの視聴者数は、競合トップ3チャンネルの視聴者数を全て合わせた以上の規模であり、上記の手数料更新の際におけるケーブル/サテライト各社に対する交渉力は高い。

 近年のメディア企業とケーブル/サテライト各社との交渉を見る限り、一般的にメディア企業が交渉力を有するようである。例えば、今年7月にはディレクTV(DTV)とバイコム(VIA)の契約交渉が難航し、一時ディレクTVの加入者はバイコムが保有するチャンネル視聴が停止された。過去にはメジャーリーグの優勝決定戦の際に視聴できなくなった例もあるなど、ケーブル/サテライト各社にとって魅力的な番組を放映できず、加入者を失うリスクは高い。リアルタイムでの視聴が重要なスポーツ・チャンネルであるFOXスポーツ、共和党の視聴者による絶対的な視聴率を誇るFOXニュースを有するニューズ・コープによる交渉力は高いと見る。(ニューズ・コープ株価=NASDAQ1月17日現地終値27・465ドル)

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