取材の現場から 原発知事選は終わったわけではない 相次ぐ首長選挙が再稼働のハードルに

取材の現場から 連載


「原発即時ゼロ」が争点だった東京都知事選挙は、緩やかな脱原発を唱える舛添要一氏が当選。これを機に自民党は、原発再稼働にアクセルを踏むとみられている。

関西電力(9503) 週足

関西電力(9503) 週足

実は、「細川護煕元首相が知事選に当選したら小泉純一郎元首相は、各地の知事選挙で、原発ゼロを訴える候補者の応援演説に回るつもりだった」という話があった。細川氏の当選がならず、小泉元首相のこの計画がどうなるかは分からない。が、今後行われる首長選では、原発が争点となる可能性は高い。

3月に大阪市長選が行われるが、橋下徹市長はかつて、大飯原発の再稼働に慎重な姿勢を示していた。大飯原発は、活断層問題に決着が付き、再稼働に向けた作業も始まる。7月には滋賀県知事選がある。「卒原発」を唱える嘉田由紀子知事が3選出馬するかが焦点。4月には京都知事選もある。滋賀も京都も、大飯原発で事故があれば、甚大な影響が出る地域だ。

そして11月には、福島県と愛媛県で知事選がある。福島は言う間でもなく、原発事故の被災地。愛媛県は、真っ先に再稼働すると見込まれる伊方原発を抱える。

各所とも、東京より切実な原発問題を抱えており、小泉氏が応援演説を仕掛けなくとも、原発は争点に充分なり得る。

東京電力(9501) 週足

東京電力(9501) 週足

安倍政権は月内にも、昨年12月に策定した「エネルギー基本計画」の閣議決定を行う予定。同計画は原発について、「重要なベース電源」と位置付けた。つまりは原発の再稼働、新設を念頭に置いている。国民からの意見(パブコメ)や、国会議員アンケートの結果を踏まえ、正式方針にするという。

ただ、そう簡単にはいかないようだ。電事連(電気事業連合会)が自民党議員に対し、原発アンケートの模範解答を配布していたことが明らかになったが、自民党内の反原発勢力は、「アンケートをすべて開示せよ」と執行部に要求を出すという。公開されれば、電事連の模範解答をそのままコピペした回答が多数出るはずだ、というわけである。もし、その通りの結果が出れば、いかに電力業界が自民党議員をコントロールしているかが明々白々となる。世論が、反原発に振れる可能性も高い。

「電事連は今、東京電力(9501)ではなく関西電力(9503)が牛耳っている。関電が業界のリーダー役を担っており、エネルギー基本計画をスムースに進めることができるか、関電の力量が業界内で問われることになる」(財界担当記者)

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