取材の現場から 思惑くすぶる京都・東地区再開発 京都財界挙げての大プロジェクトになるか

取材の現場から 連載


年末押し迫った12月28日、日本維新の会の落選候補者が「除名」処分された。何でもなさそうな話だが、この件が京都でちょっと注目されている。

除名されたのは、京都で立候補した山内成介氏。山内氏は任天堂(7974)創業者の玄孫で、中興の祖・山内溥前社長の甥。除名をめぐってはいろいろ憶測も出ているが、「京都の再開発利権がかかわっているのではないか」(京都の事情通)という見方もある。

「山内氏が、京都駅東側の再開発事業を手掛けるという話がある。新幹線の駅を絡めた大開発だけに、過去、いろいろ再開発計画が持ち上がったが、ややこしい事情でまったく進まなかった。それを何とか動かすために、京都の名家・山内家のブランドを使おうとしているとも見られている」(前出・事情通)

確かにこの地区はかつて、武富士が乗り出してトラブルが起きたり、地元住民が三菱銀行(三菱UFJ・8306)に抗議活動を行うなど、さまざまな事件があった。そんなことから、一等地でありながら誰もなかなか手を出そうとしない地域になってしまっていた。

その京都駅東地区では今、京都市立芸術大学の移転計画が浮上している。昨年3月に同大学が京都駅東地区への移転を京都市に要請。京都市の門川大作市長は1月6日の記者会見で、市立芸大の移転を進めると発表した。来年度に移転構想を策定し、2023年度までに移転を完了させる方針だ。

ニチコン(6996) 週足

ニチコン(6996) 週足

ただ、これだけでは単なる大学の移転でしかない。この移転計画を梃子(てこ)に、長年滞ってきた東地区の再開発を抜本的に行いたいという意志が京都にはあるのだという。山内氏は京大工学部出身で、都市計画を専攻。再開発の専門家でもあるのだという。

その再開発を進めるために今、京都財界が動き始めているという観測もある。京都財界に影響力のある堀場製作所(6856)をはじめ、オムロン(6645)ワコールHD(3591)京都銀行(8369)ニチコン(6996)といったところが動けば、再開発も不可能ではないだろう――と噂(うわさ)が噂を呼んでいる。

もしこれが事実であれば、京都財界挙げての大プロジェクトにもなるだろう。アベノミクスが推進する特区制度を使えば、ダイナミックな再開発も可能だろう。

来年は京都市議選、京都府議選も予定されている。そんな中での不可解な除名だったことから、いろいろ憶測を呼んでいるわけだ。

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