取材の現場から 豊田社長の「モリゾウ活動」 予想外の副作用も

取材の現場から 連載


相変わらずトヨタ(7203)は強い。生産台数はグローバルで1,000万台突破という前人未到のレベルとなり、今期の業績も営業利益2兆円超えが見込まれ、過去最高益の可能性も出ている。

トヨタ(7203) 週足

トヨタ(7203) 週足

このトヨタにリスクはないのか?

「良くも悪くも、豊田章男社長の一挙手一投足でトヨタは変わる。その意味では、章男さん自身がトヨタの最大のリスクだろう」(愛知のトヨタウォッチャー)。

豊田社長はマスコミのインタビューなどに対し、「自分は3つの役割を持っている」と語っているという。1つ目は、トヨタの社長。大企業の経営のかじ取りをする役割だ。2つ目は日本自動車工業会の会長の役割。これは、業界全体の利益追求と調整。そして3つ目が「モリゾウ」なのだという。モリゾウとは、豊田社長がレース活動で使っているニックネーム。レース活動を通じ、クルマの楽しさを普及させるのが、自身に課せられた3つ目の役割なのだと。

しかし、命のやりとりをしかねないレース活動を超大企業のトップが行うことに批判は多い。しかし、豊田社長は「ほかの上場企業の社長は、平日からゴルフをやっていても騒がれない。なぜ、自動車メーカーのトップがレースに参加すると批判されるのか」と語っており、その批判には大いに不満なのだという。そもそもレース活動は道楽ではなく「いいクルマ作りに必要な自分のセンサーに磨きをかけるため」なのだとも主張している。

そんなわけで、「社長がそこまでやっているのだから」ということで、トヨタ社内でもレース活動に取り組む社員が増えているという。それは、社員だけでなくマスコミにまで広がりを見せている。

「名古屋のトヨタ広報のスタッフとトヨタ番記者の一部が一緒に、カートレース活動を行っている。土日にレースをするだけでなく、平日の夜も練習している。ときには泊りで合宿もするほどの入れ込みようだ」(トヨタ担当記者)。

この状況を懸念する意見もある。

「社員のレース活動は、レースを推奨する社長を頂く会社のサラリーマンとしてのお追従なのだろう。記者の方も、トヨタに食い込むためにやっているんでしょ。章男さんの周りは、茶坊主だらけだ」(前出トヨタウォッチャー)。

社長の〝モリゾウ活動”があにはからんや、阿諛迎合(あゆげいこう)を蔓延(まんえん)させているという。豊田社長が目指しているのは、こんなことではないはずなのだが…。

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